昔の熊事件の本

２０年くらい前に友人から古いヒグマの本をもらって読んだところ、結構生々しい記載が多くて衝撃を受けたのですが、その後引っ越しか何かの際に誤って無くしてしまいました。

しかし最近クマ被害のニュースをよく聞くようになり、あの本を読みたくなったのでネットで古本を探して購入したのですが、５０年近く前の本でも程度が良く驚きました。今はネットで何でも見つかりますね。

北海タイムスという今はもう無い新聞社の記者が昭和４４年に著した本で、約４５年前に発行されたものです。表紙の写真はカラーですが、白黒写真に人力で着色した、カラー写真が普及していなかった時代の”カラー風写真”です。

ただ２０年ぶりに読んだ割にはほとんどの記事を覚えていて、新鮮味はそれほどありませんでした
（それだけ昔読んだ時インパクトがあったのかもしれませんが）。

結構エグイ記事や写真もズカズカ掲載されており、今の時代に同じ
手法の表現は難しいと思われますが、それだけ臨場感があります。



北海道では５０年ほど前にもヒグマが多発していたそうで、地域によっては酪農農家が撤退に追い込まれるほどだったそうです。牛も本気出すと結構強いそうですが、夜の厩舎に鎖でつながれて身動きが取れない時に襲われるため戦わずして熊の餌食になってしまうそうです。

またそれ以前の明治の開拓時代は人の数が圧倒的に少なく、ヒグマ被害は多発していたそうです。今でも苫前の三毛別羆事件や、福岡大学ワンダーフォーゲル部襲撃事件なんて有名ですね。

素人的には『猟銃さえあれば』と思いますが、急所（脳など）に命中しない限り何発撃っても効かず、逆に返り討ちにあってしまうので、射止める猟師も命がけだそうです。

昨今発生している熊事件ニュースのコメント欄を読むと、『熊を射殺するなんてかわいそう』なんて
意見が必ず出ますが、熊被害の生々しい記録を読むと、現実はそう甘いものではないと感じます。