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2022.09.22

だし不要、具は1つだけ! 松茸ご飯の作り方(2合、3合レシピ・炊き方)。香り、食感を生かすプロの技

松茸ご飯のイメージ

松茸が手に入ったら一度は作ってみたい松茸ご飯。1年の中でも旬が短く、限られた時期しか味わえない秋の味覚の代表格です。加えて高価な食材だからこそ、絶対においしくいただきたいですよね。

そこで今回は、松茸の香り、食感を最大限活かした松茸ご飯の作り方を紹介します。教えてくれるのは、WEB FOODIEでもさまざまなな季節の炊き込みご飯のレシピを紹介していただいている、料理研究家の小島喜和さんです。

あわせて松茸の選び方や基本の下処理から、炊飯器ではなく鍋で炊くアドバイスまで、丁寧に解説します!

小島喜和さんのレシピ一覧はこちら>>

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素材のおいしさを最大限引き出す、松茸ご飯のポイント

松茸ご飯のイメージ

ポイント① 炊き込みご飯に合う松茸の選び方。かさが開ききっておらず、ずっしりしているものをチョイス

松茸

松茸ご飯に使う松茸なら、強く香りが残る、かさが開ききっていないものを選ぶのがおすすめです(写真①)。かさが完全に開いているもの(写真②)は、香りがすでに飛んでしまっている場合も。かさが完全に閉じているもの(写真③)は、育ちが未熟なので香りはやや控えめです。とはいえ、①②③いずれの状態の松茸でも、充分においしい松茸ご飯を作ることができるので安心してください。

さらに、松茸の軸に弾力があり、ずっしりと重量感あるものを選びましょう。軸がやわらかかったり、見た目の割に持ったときに軽く感じられたりするものは、虫食いの可能性があるのでなるべく避けて。

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ポイント② 松茸の切り方。部位によって切り方を変え、美しさ、食感、風味を際立たせて!

切り終わった松茸

松茸ご飯に使う松茸は、長さを半分に切り、上のかさ部分と下の軸部分で切り方を変えます。上半分は包丁で薄切りにし、松茸らしい見た目の美しさと食感を生かしましょう。下半分は手で細く裂き、松茸の風味を最大限引き出して!

ポイント③ だしは不要! 水で炊くことで松茸の風味を最大限生かす!

炊き込みご飯といえば、和風だしで炊くのが一般的ですが、松茸ご飯には不要。松茸のように香りを楽しみたい食材にだしを使うと、だしの風味が邪魔をしてしまいます。だしがなくても松茸から出る旨みで充分おいしい炊き込みご飯に仕上がります。

だしが不要なんて目からウロコです! それだけ松茸という素材が持つ旨み、風味が強いってことですね。切り方もちょっとした工夫をするだけで、松茸の良さを余すことなく活かすことができるなんて勉強になります!

それでは実際にレシピを見ていきましょう。

【保存版】風味、食感が際立つ松茸ご飯のレシピ

松茸ご飯の材料

<材料>(2合分)※3合で作る場合の分量はこちら

  • 米…2合(360ml)
  • 松茸…中2本(約80g)
  • 水…415ml
  • うす口しょうゆ…大さじ1と1/2
  • 酒…大さじ3/4
  • 塩…小さじ1/4
  • すだち(好みで)…適量

「今回のレシピでは、比較的お手頃なブータン産の松茸を使用しました。松茸ご飯はどんな産地のものでもおいしく作ることができます。ただし、松茸の鮮度が落ちると風味も飛んでしまうので、食材を購入したらなるべく早く調理しましょう。また、炊き込みご飯の色を薄く仕上げたいので、しょうゆはうす口を使用しましたが、ない場合は濃口しょうゆでも構いません。濃口を使用する場合は、塩の分量を気持ち多めに入れるといいでしょう」

※米3合で作る場合の分量
松茸…中3本(約120g)、水…620ml、うす口しょうゆ…大さじ2と1/4、酒…大さじ1強、塩…小さじ1/3

<作り方>

1. 米を研ぎ、30分〜1時間浸水させる

米を浸水させているところ

米はしっかり研いで、米ぬかを落とす。ザルにあげて水気をきり、炊飯器の内釜に入れる。分量の水415mlを注ぎ、そのまま30分〜1時間浸水させる。

▼詳しい米の研ぎ方はこちらの記事をチェック!
調味料は塩だけ! 栗ご飯のシンプルな作り方。米の研ぎ方、栗の皮のむき方も伝授(3合レシピ)>>

2. 松茸の汚れをとる

松茸を洗っているところ

松茸を拭いているところ

松茸を拭いているところ

松茸はかさの部分にさっと流水をかける。かさ、軸の順にさらし(またはペーパータオル)で汚れ(=土)を拭き取る。

「水をかけるのは一瞬で大丈夫です。その水分を使って松茸の表面の汚れ(=土)を拭き取りましょう。拭き取るときはゴシゴシと力を入れる必要はありません。さっと表面をなぞれば汚れを取り除くことができます」

3. 石づきを削る

松茸の石づきをのぞいているところ

石づきをのぞいた松茸

根元の石づきを削るように切り落とす。

「鉛筆を削るイメージで、かたく、土のついている部分を切り落とします。もったいないのでなるべく薄く削るようにしましょう」

4. 松茸を切る

松茸に切り込みを入れているところ

松茸を割いているところ

松茸のかさに包丁で切り込みを入れ、そこを起点に手でふたつに裂く。

「松茸は手で裂くことで、風味、食感を活かすことができます。大切なのは軸からではなく、かさから裂くこと。軸から裂くと、かさがとれてしまったり、均等に裂けなかったりするためです」

松茸を切っているところ

切り終わった松茸

割いた松茸は長さを半分に切り、上半分は包丁で薄切りにし、下半分は手で細く裂く。

「松茸にはたまに虫がいることがあります。松茸ご飯の場合は、松茸を切る過程で発見できるので、見つけたら取り除くようにしましょう」

5. 1に調味料、松茸を加える

調味料を米に入れているところ

松茸を内釜に入れているところ

1の米の入った炊飯器の内釜にうす口しょうゆ、酒、塩を加え、手でさっと混ぜたら4の松茸をのせ、均等に広げる。

6. 炊飯器で炊く

松茸ご飯を炊く前の内釜

炊飯器にセットし、通常の白米と同じように炊く。

▼鍋で炊く場合

「今回は炊飯器で炊きましたが、鍋で炊く場合は、先に米と水、調味料を入れて火にかけ、煮立ったタイミングで松茸を加えると、松茸の風味をより活かすことができます」

▼鍋での炊き込みご飯の作り方は、こちらの記事をチェック!
プロが教える牡蠣ごはん(炊き込みご飯)の作り方。旨みたっぷりのコツは2種類の洗い方!>>

7. さっくり混ぜてから器に盛り、すだちを添える

松茸ご飯をしゃもじで混ぜているところ

松茸ご飯のイメージ

炊き上がったら底からさっくりと混ぜ、器に盛る。好みで半分に切ったすだちを添える。

松茸の香りがたまらない! 秋の炊き込みご飯の上品で贅沢な味わいに感動

松茸ご飯のイメージ

炊飯器のふたを開けた瞬間、松茸のいい香りが部屋中に充満します! 期待に胸をふくらませながら茶碗に松茸ご飯をよそい、いざ実食。ひと口食べた瞬間、驚くほど芳醇な松茸の風味が口の中に広がります。塩加減も主張しすぎず、そっと松茸を引き立て、上品な仕上がりに。

だしが入らないので「旨みが足りなさそう」と心配していましたが、いざ食べると物足りなさは一切なく、贅沢な秋の味覚に感動です!

材料はシンプルながら、プロの技がたくさん詰まった松茸ご飯のレシピ。ぜひ、松茸が旬の時期に試してみてください。

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小島喜和さん

小島喜和さん

テーブルトップディレクター。季節のめぐりとともに暮らす日々。手仕事を行う楽しさ、美味しさを伝えることをライフワークに、自身の料理教室では「味噌」や「梅干し」など、【季節の手仕事教室】を開催している。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。

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撮影:矢野宗利
文:ケイ・ライターズクラブ

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