全ての画像を見る

A.B.C-Zの戸塚祥太さんが主演を務める舞台「フォーティンブラス」の取材会が、6月2日に行われ、戸塚さん、内博貴さん、能條愛未さん、矢島舞美さん、演出の中屋敷法仁さんが登壇しました。

フォーティンブラスとは、シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の物語の中で2回だけ登場する“脇役”のこと。

この作品は、そのフォーティンブラスを演じる脇役俳優にスポットライトを当て、楽屋や劇場で生き生きと生活する人々の感情を描いた物語。

昨年も、戸塚さんを座長に、中屋敷さんの演出で上演。今年も前作を踏襲して、メインキャストがほぼ続投しています。

能條さんは、内さんの役について「本当に内さんの罵倒が、去年よりもパワーアップしているので（笑）。言い合うシーンがあるので、負けていられないという気持ちが芽生えました」とコメント。

矢島さんは、「内さんはとっつー（戸塚さんの愛称）さんのことが『本当に大好きだな』と。ずっと、とっつーさんの演技で『うふふ』って笑っていて。毎回稽古場で、（戸塚さんは）コミカルで絶妙な動きをして、私も笑ってしまいます」と語りました。

能條さんが「今回はアドリブもすごい！」と明かすと、内さんも「前回よりもアドリブが増えてる」と同調。

そして、内さんは「だから油断が出来ないんですよ。やらなさそうな矢島さんも（アドリブを言う）。いい意味で、メリハリがついています」と語りました。

「前作との違い」を聞かれた中屋敷さんは、「内くんのシーンで、申し訳ないんですけど、あまりにも怖くて震えていました（笑）。本当に刺激的なシーンがたくさんあって。みなさん、リミッターを解除しまくっているので、限界を超えているんじゃないかと思います」と説明。

演出としてアドバイスを求められると、「稽古中はみんなマスクを着けているので、わからなかったのですが、劇場でリハーサルをしたら、みんな顔が美しすぎる。内容が入ってこない。もうちょっと人間の顔にしてほしい」とお願いし、登壇者を笑わせました。

公演に対しての苦労を聞かれると、戸塚さんは「稽古がめちゃくちゃタイトで。しびれました。みんな、それぞれ稽古に合流していたのですが、僕が最後に参加したんです。初演までの時間を計算して、（周りとの差に）『しびれるぅ～』って口から出てしまいました」と。

続けて、「ただ、そのときスムーズにいったので、再演というものに対して、必要以上におびえていたかもしれません。もしかしたら、『前回の公演は終わっていなかったのかな』と。それくらい地続きでいました。（前回は）自分の中でも、すごく手ごたえがあったので。いい思い出を、さらにいい思い出にしたかった。でも、自分の中でまだ続いていたんです」と説明。

内さんは、「僕も稽古に遅めに入って、とっつーの2日前。僕だけ台本を持って、みなさんは台本を持たずに当たり前のようにしていたので、その光景を見て『しびれるぅ～』って言いました（笑）。『早くみんなに追いつかなきゃ』というのは、稽古初日に感じました」と語りました。

中屋敷さんから稽古中に「小者感が増した」と言われていた戸塚さん。

＜戸塚祥太は“小者感”が増した！？演出家が明かす1年ぶりに会った感想＞

内さんは「小者感とかは感じないですけど…。『この舞台の役にドハマりしているな』と、稽古場から見ていて思うんです。だから（戸塚の演技をステージ）袖から見ちゃうんです」とコメント。

そして、「わかりやすく言うと、『錦織一清イズムを継いでいるな』という感じです。錦織さんのファンの方ならわかると思うのですが…。演技を見ていて、ホッとするんじゃないですけど、見ていて楽しいし、一緒にやっていても楽しい。なので、お客さんも楽しめる。僕も、袖では爆笑しています」と明かしました。

戸塚さんは、昨年の公演からの変化を聞かれ「『日々生活していく中で、面白いものを摂取して、自然と出ているのかな』と思います。なので、自分的にというよりかは、お客様にすべて委ねたいです」と。

続けて、「今年の頭に歌舞伎に初出演して、市川海老蔵さんをはじめ、そうそうたるメンバーの方々と舞台に立ちました。皆さんスターでしたし、スターの輝きを感じました。それに、いろいろなジャニーズの後輩や先輩と接することによって、スターの輝きを感じました。そういう光と影が、出ている舞台なので、自分にとってはいいこと尽くしでした」と語りました。

お馴染みの名作「ハムレット」が華やかに上演されている、とある古ぼけた劇場。その楽屋で、売れない役者・羽沢武年（戸塚祥太）が、上演中だというのにヒマしている。彼の役は、ノルウェーの若き王子、フォーティンブラス。

役名は勇ましいが、最初の出番は、芝居が始まって約2時間15分後。それもただ舞台を通り過ぎるだけ。二番目の出番は全ての物語が決着を見た後。のこのこ登場し、最後のまとめをするだけの、いわば「刺身のツマ」。

その上ハムレット役の大スター・黒沢正美（内博貴）は、横暴で、陰険で、勝手に芝居を変えるわ、若い女優に手を出そうとするわとタチの悪いことこの上ない。武年ばかりでなく、オズリック役で恵子の恋人である岸川和馬やオフィーリアに抜擢されたバラエティタレント刈谷ひろみさえも、そんな大スターに嫌気が差し、楽屋には一触即発の不穏な　空気が流れている。

そんなある夜、芝居のはねた劇場に、突然不気味な亡霊が姿を現す。亡霊は、自らを「フォーティンブラスの父」だと名乗り、そして武年に向かって言った。

“我が息子フォーティンブラスよ。さあ、今こそその汚れ亡き高潔な血を熱くたぎらせ剣を抜け。
そしてその剣に、ハムレットへの復讐を誓うのだ！”

その言葉にとまどいながらも武年は、亡霊にハムレットへの、そして大スターへの復讐を誓うのだった。

しかし劇場付きの老女優、松村玉代（矢島舞美）は、亡霊の姿を見て驚いた。この男は、「フォーティンブラスの父」なんかじゃない。昔、玉代が一緒に芝居をしていた俳優の岸川和春……すなわち、オズリック役の岸川和馬の死んだ父親の亡霊だ……しかし何故今頃、和馬の父が亡霊となって、思い出の詰まったこの劇場に…？

果たして武年の復讐の行方は？
そして亡霊が寄せる、この舞台に対する思いとは？