決算実績・会社計画と市場予想
24/1期2Q 実績 市場予想 結果
売上高(億ドル) 86.0 85.3
営業利益(億ドル) 27.2 24.1
EPS(ドル) 2.12 1.90
24/1期3Q 会社計画 市場予想 結果
売上高(億ドル) 87.0~87.2 86.6
EPS(ドル) 2.05~2.06 1.83
24/1期通期 会社計画
(従来)
市場予想 結果
売上高(億ドル) 347~348
(345~347)
346.5
EPS(ドル) 8.04~8.06
(7.41~7.43)
7.45
出所:会社資料、Refinitiv作成:岡三証券
  • EPS、営業利益は一時項目を除く調整後ベース
主な事業別売上高と伸び率
事業別売上高
(億ドル)
実績 前年同期比
セールス 19.0 11.8%
サービス 20.5 12.1%
プラットフォーム・その他 16.4 10.8%
マーケティング・コマース 12.4 10.4%
データ 11.9 16.2%
出所:会社資料作成:岡三証券

決算概要

現地8月30日に24/1期2Q決算を発表した。売上高は前年同期比11%増の86.0億ドル、調整後EPSは同78%増の2.12ドルとなり、いずれも市場予想を上回った。また調整後営業利益は同77%増の27.2億ドル。営業利益率は31.6%となり、前年同期の19.9%から改善した。

24/1期の会社計画は、3Qが売上高、調整後EPS共に計画値下限が市場予想を上回った。

通期の見通しについては、売上高、調整後EPSをそれぞれ従来から引き上げ、いずれも計画値下限が市場予想を上回った。また、営業利益率の見通しを従来の28%から30%に引き上げた。

決算後の電話会談等での会社側の主なコメント

  • 導入サービスに掛かる事業は前年同期比3%増収にとどまり、IT予算削減の影響を受けている。半面、統合サービス「MuleSoft」がけん引し、売上高の目安となるCRPO(1年以内の残存履行義務)は同12%増と好調に推移した。
  • 人員削減や投資の厳選など効率化への取り組みが順調に推移。25/1期1Qに目標としていた30%の営業利益率を2Qで達成できたほか、通期計画でも引き上げられたことを誇りに思う。
  • 生成AIの取り組みは順調。9月12日~14日にかけての年次開発者イベント「Dreamforce」では、コアプラットフォームの機能強化やAIについての最新情報の発表を楽しみにしている。

今後の見通し

利益率改善が想定以上に進んだ好決算だった。またAIを従来から事業の中核に据えており、生成AI利用における安全性・信頼性を提供できる点が強みといえる。生成AIをプラットフォームに取り込むことで、各製品の利用率向上や、製品間の連携強化が期待されよう。新規顧客による導入の弱さは警戒されるが、既存顧客の更新や追加需要は高い。売上、利益共に底堅い業績拡大が見込まれ、株価も堅調推移が続きそうだ。

株価推移
セールスフォース(CRM)株価推移のグラフ
  • チャートは週足ベースで8月30日現在