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カデット特集●2012冬・論文コレクション

2012冬・論文コレクション Vol.2
薬の追加や変更の前に、ほかの手段もあるのでは?
チーム医療の効果を示す論文

石丸直人
Naoto Ishimaru
明石医療センター内科医長●2001年筑波大卒。大田病院(東京都大田区)、筑波メディカルセンターを経て、09年筑波大学附属病院総合臨床教育センター病院講師。12年4月から現職。
photo:Shouji Yamamoto

 同じ薬を継続して処方していても、疾患のコントロールが今ひとつ良くならない。薬の追加や変更を考えてもいいが、ほかにも何かできることはないか。明石医療センター内科医長の石丸直人氏は、日常の診療で頻繁に見かけるこういった状況へのヒントを与えてくれる、2本の論文を挙げてくれた。

 論文1(各論文は、次ページの「石丸先生のおすすめ論文リスト」参照)は血糖降下薬と抗うつ薬の処方歴がある患者に対し、糖尿病とうつの包括的なマネジメントを行ってみた結果を示したもの(図1)。「血糖コントロールが良くない人を見ると、うつの合併やほかの社会的因子があって、薬を服用できなかったり、通院しなかったりといった人がちらほらと見られる。生活習慣病とうつ病への統合的なアプローチの重要性という、我々がいつも感じていることの効果が示されている。そのまま、臨床現場で参考にしやすい」と石丸氏は説明する。

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