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2023/12/14

新規診断高リスクの小児AMLにミトキサントロン+シタラビン+ゲムツズマブ オゾガマイシンによる導入化学療法が有効な可能性【ASH 2023】

中西 亜美=日経メディカル

 新規診断高リスクの小児急性骨髄性白血病(AML)に対し、同種造血幹細胞移植(HSCT)前の導入化学療法として、1コース目にミトキサントロンとシタラビン、ゲムツズマブ オゾガマイシン(GO)を併用し、2コース目にFLA-Ida(フルダビン+シタラビン+イダルビシン)、必要に応じて3コース目にFLA(フルダビン+シタラビン)を実施することは、有効な治療戦略である可能性が示された。特にKMT2A遺伝子再構成(KMT2A-r)、FLT3-ITD遺伝子変異陽性、NUP98融合遺伝子陽性の患者で、効果が高い傾向が明らかとなった。

 フェーズ3試験であるMyeChild 01試験の、高リスク患者を対象とした解析の結果で、12月9日から12日にサンディエゴで開催された米国血液学会(ASH 2023)において、オーストラリアQueensland Children's HospitalのA Moore氏が報告した。

 MyeChild 01試験(NCT02724163)は、小児のde novo AMLに対する治療戦略を検討する国際共同フェーズ3試験。導入化学療法のコース1として、ミトキサントロン+シタラビン+GOを最大3サイクル実施し、高リスクの患者には、コース2としてFLA-Idaを投与した後、HSCTを実施した。なお、必要な患者には、HSCTの前にコース3としてFLAを実施した。

 高リスクの患者の適格基準は、細胞・分子遺伝学的に高リスクな遺伝子異常を有する患者、または遺伝子異常の種類にかかわらずコース1の導入化学療法後における芽球比率が5%以上の患者、中間リスクの遺伝子異常を有し、コース2の導入化学療法後に測定可能残存病変(MRD)が陽性の患者、低リスクの遺伝子異常を有し、コース2および3の導入化学療法後にMRDが陽性の患者とした。

 今回の発表では、高リスクな遺伝子異常を有する患者とコース1の導入化学療法後に高リスクと判定された患者における推定2年転帰が報告された。

 導入化学療法のコース1において、ミトキサントロンは1~4日目に12mg/m2を連日投与し、シタラビンは1~10日目に100mg/m2を12時間おきに投与、GOは4日目(±7、10日目)に3mg/m2を投与した。コース2では、フルダビンを1~5日目に毎日30mg/m2投与、シタラビンを1~5日目に毎日2mg/m2投与、イダルビシンを3~5日目に毎日8mg/m2投与した。

 750人が試験に登録され、183人がコース1の導入化学療法を受けた後に高リスク群に割り付けられた。高リスクな遺伝子異常を有していたのは172人で、そのうち141人はコース1で完全寛解(CR)または血球数の回復が不完全な完全寛解(CRi)を達成していた。中間リスクの遺伝子異常を有し、コース1でCR/CRiを達成できなかった患者は11人だった。コース2の導入化学療法は175人、コース3は38人に実施され、158人がHSCTを受けた。

 解析の結果、高リスク群における推定2年無イベント生存(EFS)率は62%(95%信頼区間:56-70)で、推定2年累積再発(CIR)率は28%(95%信頼区間:20-35)、寛解患者における推定2年死亡率は5%(95%信頼区間:2-9%)、推定2年全生存(OS)率は73%(95%信頼区間:66-80)だった。

 HSCTを受けた患者における推定2年EFS率は68%(95%信頼区間:61-76)で、推定2年CIR率は26%(95%信頼区間:18-33)、寛解患者における推定2年死亡率は5%(95%信頼区間:1-8%)、推定2年OS率は78%(95%信頼区間:71-85)だった。

 細胞・分子遺伝学的に高リスクな遺伝子異常として多く見られたのはKMT2A-r(27%)とFLT3-ITD変異陽性(19%)、NUP98融合遺伝子陽性(13%)だった。これらの遺伝子異常を有する患者の推定2年EFS率は、KMT2Aが66%(95%信頼区間:54-81)、FLT3-ITDが72%(95%信頼区間:58-90)、NUP98が72%(95%信頼区間:56-92)だった。推定2年OS率は、KMT2Aが72%(95%信頼区間:60-86)、FLT3-ITDが84%(95%信頼区間:72-98)、NUP98が96%(95%信頼区間:88-100)だった。

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