堺雅人、“人生を変えた”俳優業を語る「この仕事が天職なのかな」<「ダマせない男」インタビュー>
3月26日(土)に放送される堺雅人主演のスペシャルドラマ「ダマせない男」(夜9:00-10:54、日本テレビ系)は、「絶対にだませない詐欺師」が主人公のコメディードラマ。WEBザテレビジョンでは、ひょんなことから詐欺師にされた超お人よし男性・絹咲正(きぬさき・ただし)を演じる堺にインタビューを行い、作品への思いや共演者の印象、自身の「超が付くほど○○」なことなどについて聞いた。
同作では、絹咲をだまして詐欺師に仕立て上げる女詐欺師・浅香澪(あさか・みお)を門脇麦、絹咲と澪から詐欺計画のターゲットとして10億円の土地売買を持ち掛けられるリゾート会社社長・大森詩子(おおもり・うたこ)を広末涼子、絹咲と澪に大森から10億円を奪うよう指示する大手ゼネコン社長・貴島源一郎(きじま・げんいちろう)を生瀬勝久がそれぞれ演じる。
「『門脇さんは僕だ!』と思う瞬間がありました(笑)」
――台本を読んだ際の感想と、作品の印象を教えてください。
台本をいただいた際に、水野(格)監督から「最近の若い人は“いい人”が多い」と言われたんです。そして、それがテーマの作品だとおっしゃったので、優しい若者を追体験というか、どんなものかを身をもって体験できたら面白いなと思いながら演じました。
――実際に演じてみていかがでしたか?
若い人がどうなのかは分からないけど、絹咲正に限定して言うと、人を傷つけないというのは、自分を押し殺しているということで。一見良いことのように見えるのですが、何の責任も取らないし、生きていてもいなくても一緒なんじゃないかなと思って、怖さを感じました。
でも一方で、絹咲は人をすぐ好きになってしまうんですよ(笑)。頭では自分を殺そうとするんだけど、体が言うことを聞かなくて、あっちの方向に行ったりこっちの方向に行ったり、浮き沈みがある人なんです。そのバランスの悪さがとても面白かったし、演じる上での楽しみどころになりました。
――絹咲を演じるにあたって意識したことを教えてください。
台本は頭で考えられた文章が主なので、演技をする際も頭で考えてしまいがちなのですが、今回は絹咲と一緒に、僕自身がないがしろにしていた“体の声”のようなものを改めて体験することができました。2年前に演じた半沢直樹は、頭と体で言ったら、頭でどんどん進めていくタイプの人だったのですが、絹咲は体がいろいろな言葉を発しているような感じ。そんな絹咲を演じるのは、俳優としても楽しかったですね。
――絹咲を作り上げるにあたって、堺さんからアイデアを出されたことはありましたか?
「すねを蹴とばす」というト書きがあったのですが、立ち位置上難しくて。監督に「かんちょうにしたらどうですか?」と提案して、採用していただきました(笑)。
――絹咲とご自身で、似ている部分や共感できるところはありますか?
お芝居は人をだますことと似ているなと思うので、一生懸命嘘をつこうとする絹咲の姿は、俳優として見習いたいです。
――「ダマせない男」はコメディー作品ですが、コメディーで役を演じることの難しさはありますか?
僕は自分のコメディーの才能の無さに自信を持っているので…(笑)。難しさなどは全く考えずに演じました。監督がうまく導いてくれましたね。
――自信の無さはどういったところから?
小さい頃から、僕が冗談を言ってウケたためしがないんです(笑)。だから、僕はあまり面白くないんだな、と思いながら生きていますね(笑)。
――コメディー作品ということで、せりふのテンポやキャスト同士の掛け合いで笑いの要素が変わることもあると思うのですが、他のキャストとのチーム感はいかがでしたか?
共演者がすごく素晴らしい方ばかりだったので、安心していろいろなことを試すことができました。感染予防をしながらの撮影は、リハーサルの段階ではマスクをしているので、そこで相手がどのような表情をしているかを読み取ることが難しいんです。でも今回は、マスクで隠れていても、お互いの表情を読み合えるようなキャリアのある方ばかりだったので、安心してお芝居ができましたね。
――作中のキーパーソンである門脇さんの印象はいかがでしたか?
門脇さんには勝手に親近感を覚えていて。たとえば方向音痴なところなど、他人事とは思えない共通点があるんです。ご一緒するのは今回が初めてだったのですが、話していても初めてとは思えない波長の良さを感じて、「門脇さんは僕だ!」と思う瞬間が何度かありましたね(笑)。
役者のタイプとしても似ているんじゃないかな。門脇さんは、どの現場でもスッとその場所にいることを目指されている人で、作品によって印象が全然違うじゃないですか。僕もそういう俳優になりたいなと思っているので、勝手に同志愛を感じてしまっている方です。
――絹咲は、門脇さん演じる女性詐欺師との出会いで人生が激変しますが、何かとの出会いで人生が大きく変わった経験はありますか?
この仕事と出会ったことで、人生が相当変わりましたね(笑)。今回、共演者の皆さんと「もし裏方ができるとしたらどんな仕事かな?」という話をしたのですが、広末さんは製作でお弁当を選びたいと言っていて、光石(研)さんは美術でいろいろなものを作りたいとおっしゃっていました。でも、僕が役に立てそうなことは何一つ見つからなくて…(笑)。だから逆に、この仕事が天職なのかなという気がします。「五十にして天命を知る」じゃないですけど、他の仕事はできなさそうということが分かってきました(笑)。
――絹咲は超が付くほどのお人よしですが、ご自身を「超が付くほど○○」という言葉に当てはめるとしたら、何と表しますか?
「超が付くほどりんご好き」ですね!今年、りんごに目覚めて、一日に4個は食べています(笑)。特に食べるタイミングが決まっているわけではなく、食べられるときに、生のりんごを食べています。
――りんごにはまったきっかけは何だったのでしょうか?
信濃出身の戦国武将を演じたことがきっかけです。りんご農園に行ってもぎたてのりんごを食べた時に、「え!りんごってこんなに美味しかったっけ!?」と驚いて。出身が宮崎なので、今までりんごにあまり縁がなかったんですよね。
――お気に入りの品種はありますか?
結局サンふじなんですよね~(笑)。それがちょっと悔しくて、いろいろな品種を試しているのですが、やっぱりサンふじが強いです。それくらいサンふじが好きなんだけど、その座を脅かすりんごの登場を期待しています。シナノゴールドは結構いい線を行っていると思うのですが、やっぱりサンふじが勝っちゃうんですよね(笑)。こうやって熱弁をふるってしまうくらい、りんごが好きです。
――最後に、作品の見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。
家族でご覧になって楽しめる作品になったと思っています。コメディーですが、別に笑わなくてもいいので(笑)。演じている中で、人間ドラマとしてもすごく楽しかったので、コメディードラマだから笑えなきゃ損だということではなく、作品自体を楽しんでいただければなと思います。ほんわかした現場で、ほんわかした気分で撮りましたので、とても楽しい作品になっていると思います。
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