レオンベルガーとは

基本情報

原産国:ドイツ

レオンベルガーはとてもエレガントな犬です。
身体のバランスが良く、自信と落ち着きが見られますが
活発な気質も備えています。

今日の生活スタイルにおいてレオンベルガーは
ファミリードッグとしてピッタリのパートナーです。
どこへ連れていっても問題はないですし、
子供にもフレンドリーに振る舞います。
シャイでも攻撃的でもありません。
自信のある、優れた平静心を持っています。
従順で学習能力と記憶力があり、大型犬の中では非常に訓練性能が高いです。

成犬のレオンベルガーは肩甲骨までの高さと身体の長さの比率が
9:10が理想で、胸の深さは肩甲骨までの高さの50%が理想的です。

頭部の形は長いというよりは深く、
ずんぐりというよりわずかに細長いのが良いとされています。
マズルと頭蓋骨の対比は1:1。皮毛は全体に覆われており、シワがありません。

鼻鏡は黒色が望ましいです。
マズルはやや長く、鼻筋は一定の幅を保っていること。

唇は上下がくっつき、黒色で、噛み合わせがしっかりしています。
ヨダレはありません

眼はライトブラウンからダークブラウンの間なら良いです。
瞼は上下しっかり閉じて、わずかなズレもないこと。 眼の白い部分は赤くないこと。

耳は上の方に位置し、後ろすぎない事。
垂れ気味でミディアムサイズ。 頭部に向かって耳が垂れており、肉厚な方がよい。

喉元は大きく、少し贅肉があること。

肩甲骨は雄には特に重要です。 背中はまっすぐで幅広であることが定義されています。

腰部は幅広で、力強く、筋肉質であることが望ましいです。

胸部は幅広で、深みがあり、肱の上部につながっている。膨れ上がっておらず楕円形であること。

尾は立っている時はまっすぐに垂れ下がっている方がよい。
動いている時は、わずかにカーブし、できればトップライン(背線)の延長線より高くカールしていない事。
四肢は大変力強いこと。特に雄の場合。

被毛はミディアムソフトできめが細かく、長毛で身体によく馴染み、バラバラしていない。
身体全体をふっくらと見せるためのアンダーコートがあります。

被毛はまっすぐであること。ややウェーブがかってもよいです。
とても柔らかで細い被毛です。
首から胸にかけての鬣(たてがみ)は特に雄には重要です。
前脚は目立った飾り毛があり、臀部から後脚にかけては飾り毛がふっくらしている。

毛色はライオンイエロー、レッド、ラディッシュブラウン、またはサンディー(フォーン、クリームの様な)。
全ての毛色において顔は黒色(ブラックマスク)でなければなりません。
毛先の黒い毛は許可されます。黒は犬の全体の基本色でない方がよいです。
尾の下側、たてがみ、前脚、後脚から臀部の色もまた全体の色の調合を邪魔するような目立つものであってはならない。

肩甲骨の高さは、雄犬は72~80 cm (推奨平均値:76cm) 雌犬は65~75 cm (推奨平均値:70cm)です。
体重は、雄犬が50~65㎏くらい、雌犬が40~55㎏くらいです。
大きければよいというものではありませんが、小さすぎるのもよくないです。
概して大きすぎると健康上の問題や極端に短命という事例があります。

 

ルーツ(歴史)

19世紀、1930年代後半から40年代前半にヘインリッチ エシング氏がレオンベルグ州の州議員であったころブラック&ホワイトのニューファウンドランドの雌と修道院から来た“バリー”と呼ばれるセントバーナードの雄を交配させたのが始まりです。
後にグレート・ピレニーズも交配し、レオンベルガーが作出されました。

エシング氏の狙いは“ライオンの様な犬”を創り出すことでした。
ライオンはレオンベルグ州の紋章として描かれています。
最初に「本当の」レオンベルガーと呼ばれた犬は1846年に産まれました。
それは過去の交配の中で最も素晴らしい犬質が含まれたものでした。
わずかの期間の後、レオンベルガーは世界中のシンボル、ステイタスとして知られるようになりました。

第一次、二次世界大戦の間に犬の数が激減しました。
今日、レオンベルガーは現代生活に密着した従順で素晴らしいファミリードッグとされています。

弊舎では、1998年にドイツとポーランドから3頭のレオンベルガーを輸入したことが始まりです。
愛犬家の話を頼りにレオンベルガーと出会いました。
「レオ」「レイク」「リバー」という1頭のオスと2頭のメスによってブリーディングがスタートしました。この3頭と過ごすうちに原産国や主にブリーディングされている地域について詳しく知る必要性が出てきたため2002年にベルギーのブリュッセルを訪問しました。そして「ビアンカ」というメスのレオンベルガーを輸入しました。
このときにドイツのブリーダーやフランスのブリーダーのことを知りました。

2003年にはカナダのケベックから「だいみょう」というオスのレオンベルガーを輸入しました。
ここのブリーダーはドイツやベルギーやオランダからの血統をもとにブリーディングしていました。
2008年にはベルギーから「グレッグ」、2009年に同じくベルギーから「インディー」を輸入しました。

このベルギーという国はドイツとフランスという2大強国に挟まれ、歴史に翻弄された小さな国です。
場合によっては3ヶ国語、主に2ヶ国語を話す地域に分かれます。
しかし、これらのことが結果的には中央ヨーロッパの地の利を活かし、欧州の中心的役割を果たすことが多く、欧州の様々な文化が行き交うメリットがブリーディングにも反映されています。

弊舎ではレオンベルガーの出産は年に1回、多くて2回行ってきました。たまに出産のない年もあります。
過去の出産では、1回につき2頭だけしか誕生しなかったこともあれば、13頭のレオンベルガーの子犬が誕生したこともありました。
平均すると1回につき8~10頭ほどの子犬が生まれます。

日本での状況

レオンベルガーは1990年代に日本に上陸し、過去に1度だけJKCでの年間登録頭数が100を越えましたが、近年は40頭前後しか赤ちゃんが誕生していません。

毎年、発表されるJKC(血統書を登録・管理する団体)の犬種別犬籍登録頭数(1年間にJKCで血統書を登録された犬の頭数)の一部をご紹介します。あくまでも日本国内だけの登録頭数(2012年度)です。

1番多かった犬種はプードルの93,000頭です。
10位がミニチュアシュナウザーの7,700頭です。
20位がビーグルの3,000頭です。

中・大型犬では、11位のゴールデンレトリーバーが7,300頭で、一番多いです。
26位がバーニーズマウンテンドッグの1,700頭。
34位がグレートピレニーズの500頭。
40位がグレートデンの300頭。
45位がセントバーナードの239頭。
58位がニューファンドランドの116頭。

レオンベルガーは非常に稀少な犬種です。
(JKCが公認している犬種は全190犬種です)

つまり、常に新たな血統のレオンベルガーを海外から輸入し続けなければ、すぐに血縁ばかりになってしまい、ブリーディングできなくなる犬種といえます。

ただ、大型犬(超大型犬)を国産化すると小型化してしまう傾向があるため、スタンダードなサイズや体躯を維持するためにも海外で生まれ育ったレオンベルガーを輸入し続けることが私たちのポリシーでもあります。