筒井道隆:「半沢直樹」でイメージ一新 “悪役”での新境地

連続ドラマ「半沢直樹」に出演している筒井道隆さん(C)TBS
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連続ドラマ「半沢直樹」に出演している筒井道隆さん(C)TBS

 俳優の堺雅人さん主演の連続ドラマ「半沢直樹」(TBS系、日曜午後9時)で、帝国航空の再建を巡って半沢(堺さん)と激しく対立する「タスクフォース」のリーダー、乃原正太を演じている俳優の筒井道隆さん。半沢を威嚇したり、見下した視線で挑発したりとヒール感たっぷりの演技で存在感を放っている。かつてはフジテレビ系の“月9”ドラマ「あすなろ白書」(1993年)、「君といた夏」(1994年)などに主演し、恋愛ドラマの人気俳優の1人として活躍した筒井さんが、これまでのイメージを覆すような“悪役”を演じ、SNSでは「新鮮!」「ギャップにゾクゾクする」「衝撃の悪役っぷり」と話題だ。改めて、筒井さんのキャリアを振り返る。

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 ◇名作出演で“いい人”、“頼りないが憎めない”のイメージに

 筒井さんは、映画「バタアシ金魚」(松岡錠司監督、1990年公開)で俳優デビュー。映画は、一目ぼれしたヒロインを追いかけ、カナヅチなのに水泳部に入部し、ヒロインに何度ふられてもめげずにアプローチする主人公を熱演し、「第14回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞した。その後、三谷幸喜さんが脚本を担当した連続ドラマ「総理と呼ばないで」(フジテレビ系)、NHKの大河ドラマ「新選組!」や、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「私の青空」など、多数のドラマや映画に出演してきた。

 中でも、筒井さんを最も有名にした作品が、大学生の男女5人の恋愛模様を描いた「あすなろ白書」だ。苦学生だが、恋人がいるのに合コンに参加したりして、なるみ(石田ひかりさん)を振り回す掛居保を好演し、当時の若者から注目を集めた。

 そして、「あすなろ白書」の翌年に放送された「君といた夏」。筒井さん扮(ふん)する大学生の入江耕平、親戚の娘・佐野朝美(瀬戸朝香さん)、後輩の杉矢稔(いしだ壱成さん)の3人が織りなすラブストーリーで、恋人の憬子(松下由樹さん)と朝美の間で揺れ動く主人公を熱演した。

 筒井さんは「総理と呼ばないで」「新選組!」といった“三谷作品”にも多く出演している。1995年にフジテレビ系で放送された“三谷作品”の「王様のレストラン」では、亡くなったオーナーシェフの代わりに、“名ギャルソン”の千石武(松本幸四郎さん)と一緒になってフレンチレストランの再建に奮闘する若きオーナー、原田禄郎を演じた。

 また、観月ありささん主演のテレビドラマ「サザエさん」(フジテレビ系、2009~13年)シリーズでフグ田マスオ、「集団左遷」(TBS系、2019年)では百貨店グループの副社長で組織の改革に心を砕く丸橋太郎を演じるなど、1990年代から近年までの映像作品を引っ張ってきた俳優の一人だ。これらを熱心に見ていたドラマファンの中には、筒井さんが演じてきたキャラクターの特徴から“いい人”、“頼りないが憎めない”といった役のイメージを抱く人も多いだろう。

 ◇「半沢直樹」では威嚇、“テーブル蹴り”も

 今回の「半沢直樹」で筒井さん演じる乃原は、第5話から登場。大手企業の再建で数々の実績を上げてきた有名弁護士で、白井亜希子大臣(江口のりこさん)が立ち上げた帝国航空の再建チーム「タスクフォース」のリーダーを任されている。帝国航空を立て直す目的から、東京中央銀行に500億円の債権放棄をのませるため、半沢を威嚇したり、見下すような視線で挑発している。

 第6話では、声を荒らげながらテーブルを蹴り飛ばすなど、これまでの“いい人”、“頼りないが憎めない”といったイメージを一新した憎らしい悪役に徹し、視聴者からは「こんな怖い筒井道隆を初めて見た」「悪役ハマってる」「筒井道隆の悪役っぷり もっと見たい!」と評判は上々だ。

 8月30日放送の第7話以降、半沢と、白井大臣や乃原率いる「タスクフォース」との対決が激化していく。「土下座」が代名詞の一つでもある「半沢直樹」で、“悪役・筒井道隆”が土下座をすることになるのか、今後の展開から目が離せない。

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