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取材に応じた石田ゆり子さん
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取材に応じた石田ゆり子さん

石田ゆり子:「引き際はいつかなって、よく考えます」 仕事や人生に迷ったとき大切にすることは

 放送中の連続ドラマ「転職の魔王様」(カンテレ・フジテレビ系、毎週月曜午後10時)で転職エージェントの社長・落合洋子を演じている石田ゆり子さん。「仕事を選ぶことは、生き方を選ぶこと」という洋子のせりふに「まさにそのとおり」と共感する石田さんに、仕事や人生に迷ったときの解決方法、撮影のエピソードを聞いた。(取材・文/服部広子)

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 1988年に俳優デビューした石田さん。「転職の魔王様」には仕事や人生に迷い、転職先を探す人々が登場するが自身は三十数年の俳優人生のなかで悩んだり、選択に迷ったりしたことはあるのだろうか。

 「私は会社勤めの経験がないので、同僚もいなければ、上司のパワハラがどんなものなのかも正直、わかりません。でも、働くことって本当に大変なことだと思いますし、責任を持って働くという意味では俳優の仕事も同じです。

 20~30代のころは、結婚しようかなとか、いろいろ悩んだ時期もありました(笑い)。それでもこれまでの人生、働かないという選択肢はありません。私にとって、働くことは生きること、人生そのもの。切り離しては考えられないものです。特に女性は、子供を産むかどうかとか、選択しなければならないことが多いので、人生設計は難しいですよね」

 どんなときも大切にしてきたことは、“自分の内なる声に従うこと”だと言う。

 「それは理屈ではなく、こっちのほうが“息がしやすい”といった体の声みたいなもの。どんなに条件がよくても自分に合わないと、背中が痛くなったり、呼吸が浅くなったり、体が拒否反応を起こすんです。おそらく、本当は嫌だってことが自分でもわかっているんですよ。だから、どんなときでも自分自身で見極めなきゃいけない。私自身は、自分がやりたいと思うことに従ったほうが幸せだと感じるタイプですね。

 普段のお仕事に関してはありがたいことに、いくつかの選択肢のなかから選ぶことが多いのですが、自分の役柄で選ぶわけではなく、このチームに入りたいか、自分が観たいと思うかが基準で、大きな判断材料になっています」

 「仕事を辞めたいと考えることはあるか」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。

 「引き際はいつかなっていうことはよく考えます(笑い)。俳優の仕事って、引退の年齢が決まっているわけではないので、自分で決めるしかないんですよね。自分がここまでと決めたら辞められるけれど、それはいつなのか。辞めたらその先はどうやって生きていくのかもわからないですし。今後を考えることは山ほどあります」

 ◇ドラマでは洋子の過去が明らかに

 物語の主人公で、キャリアアドバイザーの来栖(くるす)嵐を演じている成田凌さんとは、大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」以来の共演となった。

 「あれから7年も経っちゃって、あっという間ですね。成田さんは当時から、若いのになんとも言えない色気がありました。来栖はミステリアスで、とても威圧的ですけれど、成田さんが演じているとなぜか可愛らしく見えるときもあって。いろんな顔があるところが魅力的ですね」

 撮影の合間は、成田さんや、洋子のめいでキャリアアドバイザーの未谷(ひつじたに)千晴を演じる小芝風花さんら共演者と、たわいのない話で盛り上がっている。

 「成田さんは、風花ちゃんに健康のために良いことをアドバイスしたりして、とにかく、とても優しいですね。私はしょっちゅう、『バスタオルは何を使っていますか』『布団はどういうものを使ってますか』とか、日常生活で何を買っているかをよく聞かれます(笑い)。あと、ピラティスの話をすることも多いかな」

 ドラマでは今後、洋子がなぜ転職エージェントをスタートさせたのかが明らかになっていくという。

 ◇自分の幸せは自分で探すしかない

 最後に、いま人生に迷っている若い人に声をかけるとすれば、どう声をかけるかと聞いた。

 「いまの若い人たちは情報過多の世の中で自分自身を見失っている人がとても多いような気がします。みんな優しいけど、大人しいというか。『自分自身が何をしたいのか分からない』と言われると、なんで??とびっくりしてしまいます。

 ですから、若い人たちに何か言えるとしたら、自分が何をしたら一番幸せなのか、自分は何をして生きていきたいのか、その答えを知りたかったら自分で探すしか方法はないといういうことです。

 自分のしたいことは自分で見つけて、もがいて、苦しんで、それで辞めたいなら辞める、続けるなら続ける、それはあなたの自由なんだよって言ってあげたいですね」

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