レギュラー 「異端児為公」山本幸三 フォロー

アベノミクスは消費税率引き上げを乗り越えられるか? 5%賃上げが必要

山本幸三・元地方創生担当相
山本幸三氏=宮本明登撮影
山本幸三氏=宮本明登撮影

 消費税率引き上げはアベノミクスにとって鬼門である。せっかく軌道に乗りかけたアベノミクスによるレジームチェンジが頓挫したのも2014年4月の消費税率引き上げ(5→8%)によるものだった。

安倍首相の決断

 来年(19年)10月の引き上げ(8→10%)も危ない。

 そこで私は、今年(18年)の5月に「アベノミクスを成功させる会」として「再延期すべきだ」との提言をまとめ発表しようとした。

 初代会長の安倍晋三首相に打診したところ、安倍首相からは「理論的には山本さんが正しいと思うが、政治的には上げざるを得ない状況だ。思い切った財政出動等あらゆる手段で対処しようと思うので、上げる前提で考えてほしい」旨の回答があった。

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元地方創生担当相

山本幸三(やまもと・こうぞう)元地方創生担当相  1948年生まれ。71年大蔵省入省。93年衆院初当選。副経済産業相、衆院法務委員長などを歴任した。衆院福岡10区、当選8回。大蔵省時代には宮沢喜一蔵相の秘書官を務めた。「アベノミクスの指南役」を自任する。