英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが東芝に買収を提案したことが7日、明らかになった。東芝は過去に不正会計問題や米原発事業の巨額損失で経営難に陥り、車谷暢昭(くるまたに・のぶあき)社長のもとで再建途上にある。今回の買収提案の背景に何があるのかを探った。
まず、買収提案が表面化した経過をたどってみよう。7日午前2時に日経新聞が「英ファンド、東芝に買収提案へ」と電子版で流し、朝刊でも報じた。同日朝になって車谷社長が記者団に対し「提案は受けている。これから取締役会で議論する」と述べ、日経新聞の報道を認めた。
東芝は午前9時に「当社は、CVCから今回の買収に関する打診はこれまでうけておらず、昨日初期提案を受領したばかりであることから、今後、詳細情報を求め、慎重に検討してまいります」との公式コメントを発表した。
加藤官房長官もコメント
さらに、加藤勝信官房長官が午前中の定例会見で記者からこの件を問われ、「一般論として、重要インフラに関わる事業を実施する日本企業を海外投資家が買収する場合は、外為法に基づく手続きが必要だ」と述べた。さらに「海外投資家の属性にかかわらず、わが国の経済社会に重要な企業は事業を安定的に継続できる経営体制が構築・維持されることが重要だ」とも語った。
この一連の動きが7日未明から午前中にかけて流れるように行われた。買収提案のニュースが駆け巡り、東芝株に買い注文が殺到した。この日の株価の終値は前日比700円のストップ高の4530円。前日終値で1兆7437億円だった時価総額は、1日で2兆624億円に跳ね上がった。
「物言う株主」から不満噴出
再建を担っ…
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