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トランプ氏とすきま風 マティス国防長官辞任説を追う

会川 晴之・毎日新聞北米総局特派員
日米防衛相会談を終え、共同記者会見をするマティス米国防長官=2018年6月29日(代表撮影)
日米防衛相会談を終え、共同記者会見をするマティス米国防長官=2018年6月29日(代表撮影)

 マティス米国防長官と、トランプ米大統領との間に微妙なすきま風が吹いている。ワシントンでは、マティス氏の早期辞任説が流れ始め、早ければ中間選挙後の交代説まで取りざたされている。

 「マティス氏は『マッドドッグ(狂犬)』ではなく、『穏健な犬』だ」。米政治専門メディア・ポリティコは9月上旬、トランプ氏が最近、マティス氏のことをこう呼び皮肉っていると報じた。

 トランプ氏は海兵隊退役大将のマティス氏の軍隊時代のあだ名である「マッドドッグ」が気に入り、マティス氏を紹介するたびに連呼していた。だが一転して「(従順な)穏健な犬」へと評価が転じたとしたら、両氏の不仲はかなり深刻な状況にあると言える。

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毎日新聞北米総局特派員

1959年東京都生まれ、北海道大学法学部卒、87年毎日新聞入社。東京本社経済部、政治部、ウィーン支局、欧州総局長(ロンドン)、北米総局長(ワシントン)などを経て、2018年12月から現職。日米政府が進めたモンゴルへの核廃棄計画の特報で、11年度のボーン・上田記念国際記者賞を受賞。日本発の核拡散を描いた毎日新聞連載の「核回廊を歩く 日本編」で、16年の科学ジャーナリスト賞を受賞。著書に「核に魅入られた国家 知られざる拡散の実態」(毎日新聞出版)。