アンドラ公国(2)
ピレネー山脈の奥深く、急峻(きゅうしゅん)な地でスペインとフランスに挟まれて生きるアンドラ公国。公用語はカタルーニャ語。何を糧に生きていこうとしているのか。歴史を知り、街中を見れば、その考えを読み取ることができる。人口8万人弱の小国のリポート第2回。
観光で地元らしさを前面に出す欧州で勝てるのか
南フランスのトゥールーズからバスで3時間弱。雪のピレネー山脈を越えて着いたアンドラは、「国中がスキーリゾート&免税品店街」のような状況だった。人口2万人の首都アンドラ・ラ・ベリャが、小さなコンクリートジャングルと化していることに悲しみを覚えつつ、短い乗り換え時間の間に本来のアンドラの姿を探す。
2015年3月2日の昼。標高1000メートルを超えるアンドラ・ラ・ベリャは薄曇りだったが、この年は暖冬で、街角の温度計はセ氏21度を表示していた。そのせいでもあるまいが、月曜日だからだろうか、町を歩く観光客は少なめだ。
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