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長時間労働に目を光らせる労働局隠密部隊「かとく」

井寄奈美・特定社会保険労務士
電通本社に立ち入り調査に入る東京労働局と三田労働基準監督署の職員=2016年10月14日内藤絵美撮影
電通本社に立ち入り調査に入る東京労働局と三田労働基準監督署の職員=2016年10月14日内藤絵美撮影

 長時間労働が原因で脳・心臓疾患になり、死に至る過労死問題、さらには精神疾患を発症して自殺してしまう過労自殺問題が近年、たびたび起こっています。最近では、広告代理店大手・電通の新入社員女性の自殺を、東京都港区の東京労働局三田労働基準監督署が9月30日付で労災認定したことが大きく報じられました。労基署は、女性新入社員のうつ病発症直前の労働時間を105時間とみなしたのです。

 長時間労働の業種といえば、電通のようなマスメディア、運輸、小売り、医療、IT業界が頭に浮かぶでしょう。また、飲食業も営業時間が長く、長時間労働になりがちです。まず、ある小さな飲食業を営む会社の試みを紹介します。

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特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/