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超高層タワーマンションが都心ではもう増えない理由

櫻井幸雄・住宅ジャーナリスト
ドゥトゥール50階から見た東京都内の眺望=筆者撮影
ドゥトゥール50階から見た東京都内の眺望=筆者撮影

 都心部に林立する超高層タワーマンション。高さ60メートル(階数にしてほぼ20階)以上のものが「超高層」であり、塔状の形をしたものがタワーマンション……だから、高さ60メートル以上で塔状の集合住宅が超高層タワーマンションとなる。

 土地が少ない都心部では、限られた面積の土地になるべく多くの住宅をつくることが求められる。その点、超高層タワーマンションは都心向きの住宅形態といえる。

 都心部では10階建ての建物で総戸数400戸というようなマンションをつくる土地がない。その点、超高層タワーマンションならば、都心部でも大規模マンションを実現させやすい。下層部に価格を抑えた住戸を作れるし、共用施設やサービスが充実するといったメリットも生じる。いろいろな意味で、超高層タワーマンションは都心向きなのだ。

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住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。