メディア万華鏡 フォロー

「川島なお美」を演じ切った女優・川島なお美のすごみ

山田道子・元サンデー毎日編集長
川島なお美さん=2010年10月撮影
川島なお美さん=2010年10月撮影

 芸能ネタに冷たい一般紙が大きく扱ったニュースが最近、二つあった。

 一つは、川島なお美さん(享年54)の訃報。毎日新聞は25日の東京本社版朝刊社会面3段の見出しで<川島なお美さん急死/女優 胆管がんで療養中/54歳>と伝えた。19日に亡くなった元財務相の塩川正十郎さん(享年93)と同じ大きさだ。

 新聞は通常、テレビ欄裏側のマンガのあるページを社会面と呼ぶ。毎日新聞はその右隣のページを対向社会面、略して対社(たいしゃ)面と呼んでいる。

 産経新聞は社会面4段、朝日新聞は対社面3段、東京新聞は社会面2段、読売新聞は対社面2段の扱い。毎日新聞だけは見出しが<死去>ではなく<急死>、コラムニストの中森明夫さんや文筆家の乙武洋匡さんの追悼ツイートの記事もあり、編集者の驚きや悲しみが伝わってきた。

この記事は有料記事です。

残り1644文字(全文1990文字)

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。