みなさん、こんにちは。アメリカ航空宇宙局(NASA)は、新型のロケットを打ち上げようとしています。人類を月に送る、アルテミス計画の一環です。日本でも宇宙航空研究開発機構(JAXA)が月探査を見据えて宇宙飛行士を募集し、選考が続いています。
「一人の人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては大きな跳躍だ」
1969年7月20日、人類で初めて月に降り立ったアポロ11号のニール・アームストロング船長の言葉です。
アルテミス計画の名前は、アポロ計画の由来となった太陽神アポロンの双子の妹、月の女神アルテミスに由来します。アポロ計画で月面に降り立った12人の宇宙飛行士は、全員が白人の男性でした。アルテミス計画では、初めて月に女性宇宙飛行士を送るそうです。
アジアの女性初
女性初といえば群馬県館林市には、同市出身でアジア初の女性宇宙飛行士、向井千秋さん(70)にちなんだ、向井千秋記念子ども科学館があります。先月、91年の開館以来の入館者が200万人になり、記念の行事がありました。200万人目の入館者は小学2年の栗原悠輔さんで、「プラネタリウムが好きで、何度も来ている」と話していました。
館内には、向井さんの子ども時代から心臓外科医を経て宇宙飛行士になるまでの道のりを、写真や思い出の品々でたどる展示などがあります。地球の6分の1しかない月の重力を体感できる「ムーンウォーカー」もあり、私も挑戦してきました。
月を歩く?
ヘルメットをかぶり、上からつり下げた自転車のサドルのようなものに座って、ベルトで固定します。歩くとふわりふわりと体が浮き、ちょっと力を入れただけで思いのほか高く跳び上がり、びっくりしました。
向井さんは85年、宇宙飛行士になり、宇宙へ2回行きました。JAXAの宇宙飛行士はこれまでに11人いますが、女性は向井さんと山崎直子さんの2人。現役の6人は、全員男性です。
13年ぶりの試験
いま、JAXAが13年ぶりに募集した、宇宙飛行士の選抜試験が続いています。選抜は書類審査や英語、小論文など五つのステップがあり、1年かけて実施されます。これまでに2段階まで終え、4127人の応募者のうち205人が通過しました。最終結果の発表は2023年2月ごろです。
向井さんは以前、毎日新聞のインタビューに「どんな夢でもいいから自分がやりたいことがあれば力が湧きます」と話しました。みなさんがやりたいことを、毎小を通じて見つけられたら、こんなにうれしいことはありません。また来週お会いしましょう。ごきげんよう。【編集長・木村葉子】