Q なぜスーパーやコンビニエンスストアなどの品物の配置はどこでも同じなのですか。(奈良市、中3、高橋沙和さん)
店内めぐって多く買ってもらうため
A コンビニ大手のセブン—イレブンの広報を担当する、セブン&アイ・ホールディングスの佐幸弘樹さんに聞きました。
質問を寄せてくれた高橋さんは、コンビニに入ると、正面にある棚におにぎりやサンドイッチが並んでいることが多いと感じたそうです。
セブン—イレブンは、全国におよそ2万1000店舗あり、その全てでというわけではありませんが、このような商品の並べ方をしていることが多いそうです。店舗で売れるもののうち、およそ30%が弁当やおにぎり、サンドイッチなどの食品です。これらを目的に来た人がすぐ見つけられるように、売れ筋の弁当などを正面に置いています。
この他にも、外に面したガラス窓のところには、雑誌を並べていたり、入り口から一番離れた壁のところに飲み物を置いた棚があったり、という並べ方をしている店舗が多くあります。
雑誌を外から見える場所に置いているのは、雑誌を手に取る人が外から見えることで、入りやすいお店にするという効果があります。中が見えない店や客が誰もいない店には入りづらいという心理が働くためです。
また、雑誌や飲み物の配置には、お客さんに店内を歩いてもらって、より多くの商品を見てもらおうという狙いがあります。お店に入った人は、おもしろい情報を求め、まず雑誌のコーナーに行くことが多いそうです。その後にお店の奥にある飲み物、その隣にあるおそうざいやデザート、弁当、サンドイッチというふうに、店内を進むことによって、本来の目的に加えて追加で商品を買ってもらえることが期待されます。平均すると約3000もの商品を扱うお店の中を歩くことで、それまで知らなかった商品と出合う確率も高まり、「セブン—イレブンに行けば何かあるんじゃないか」という、お客さんの信頼感や満足度を上げるのも狙いです。
商品の並べ方は、売り上げデータやお客さんの声から、日々見直しを行っています。例えば最近では、新型コロナウイルスの感染の広がりで、外食や会食を控え、家での飲食が増えたことをふまえて、お酒や冷凍食品の場所を拡大しました。お客さんの求めるものに応えられたことで、売り上げが伸びたそうです。【田嶋夏希】