上海市中心部の北東に位置する虹口地区には、中国の代表的な作家、魯迅にゆかりの深い公園があります。かつて彼が散歩に訪れた場所で、墓や記念館もあり「魯迅公園」と呼ばれています=写真。
魯迅(1881~1936年)はお酒で有名な浙江省紹興の出身。清の王朝末期の1902年に日本に留学し、宮城県の仙台医学専門学校に在学中に文学を志します。09年に帰国し、「狂人日記」や「阿Q正伝」などの作品を残しました。
記念館では魯迅の一生が紹介されています。親交が深かった日本人、内山完造が上海で経営した「内山書店」を再現したスペースもあります。現在は東京・神保町にある内山書店ですが、かつて上海で日中文化交流サロンとしてにぎわいました。2017年に創業100年を迎えています。公園近くには魯迅が晩年に過ごしていた家も残っています。
上海には1800年代から外国人の特権的な居留区域「租界」があり、虹口地区には日本人が住んでいました。周辺を歩くと当時の雰囲気を知ることができます。【上海・工藤哲、写真も】
国名 中華人民共和国
首都 北京
面積 約960万平方キロメートル
人口 約14億人(2018年推定)