誕生から10年を迎えた奈良県のマスコットキャラクター「せんとくん」の人気が低迷し、せんとくんの年収(1年間に稼ぐお金)が激減しています。ピークの3%にまで落ちました。県は「何とかせんと!」と、新しいデザインを発表するなどして、人気回復に一生懸命です。
「せんとくん」は、「鹿の角が生えた子ども」という変わったデザインなので、2008年の誕生当時は「かわいくない」という批判がたくさん出ました。そのことで、かえって全国的に有名になり、人気に火が付きました。
「せんとくん」のデザインは、奈良県のものです。勝手にせんとくんの人形を作ったり、商品に印刷したりして売ることはできません。土産物や広告などに「せんとくん」のデザインを使う場合は、「ライセンス料」として県にお金を払うことになっています。受け取るのは県ですが、ライセンス料がいわば、せんとくんの年収です。
奈良県では2010年、「平城遷都1300年祭」が行われました。奈良時代に平城京(今の奈良市)に都を移した遷都から、ちょうど1300年を迎えたことを祝う催しでした。この年のせんとくんの年収は約4900万円でした。
しかし翌11年度には699万円に激減。さらに、全国でゆるキャラが続々と誕生して競争が激しくなり、人気は低迷しました。16年度にはピークの30分の1以下の154万円にまで落ち込みました。
人気は下がったとはいえ、「せんとくん」は全国的によく知られています。日本リサーチセンターの全国キャラクター調査(17年10月)では、「せんとくん」は64%の人に知られていました。ご当地キャラクターとしては、熊本県の「くまモン」や、千葉県船橋市の「ふなっしー」に次ぐ第3位です。
県は今年4月、これまでの「官服」「桜」「紅葉」のデザインに加え、新たに「はかま姿」の「せんとくん」を投入。人気回復を目指しています。
みなさんなら、どんな作戦を考えますか?