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習近平の中国

習近平体制は党大会を経て3期目が始動。権力集中が加速する異例の長期政権は、どこに向かうのでしょうか。

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悲観論警戒とメンツ「強気の5%成長」 習指導部、足元の不安

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中国全人代の開幕式で政府活動報告に向かう李強首相。下は拍手する習近平国家主席=北京の人民大会堂で2024年3月5日、共同
中国全人代の開幕式で政府活動報告に向かう李強首相。下は拍手する習近平国家主席=北京の人民大会堂で2024年3月5日、共同

 5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、中国政府は2024年の成長率目標を達成困難との見方も強い「5%前後」とした。長期化する不動産不況などの影響で景気回復が力強さを欠く中、なぜ強気の目標を設定したのか。

 「今年の目標を達成するのは容易ではない」。李強首相は施政方針演説に当たる政府活動報告で、成長率5%達成のハードルの高さを率直に認めた。

 23年末に開かれた中国共産党・政府の重要会議では、新型コロナウイルスを厳格に封じ込める「ゼロコロナ」政策を解除した後の中国経済の課題について「社会的な(先行きへの)期待の弱さ」を指摘すると同時に、「中国経済光明論」が新たに登場した。不動産不況や個人消費の低迷、若者の失業率悪化などが広く社会に認識される中、悲観的な見方が消費や投資マインドをさらに押し下げることを警戒するもので、今回の5%目標も「低めの目標で成長期待を下げることを回避したのではないか」(中国の大学系シンクタンク研究者)との指摘が出ている。

 習近平指導部の「メンツ」…

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