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あの人ならどう書くか。新年にあたり考えている。
石川泰司(やすじ)さん。数冊の著者プロフィルには「社内随一の名文家といわれ」とある。身内のことを書くのか、とお叱りを受けるかもしれない。毎日新聞社の運動部の記者だった。昭和の頃のことだ。生前会うことはかなわなかった。
きっかけはスポーツライターの藤島大(だい)さん(62)。スポーツの取材現場が様変わりする中、記者は何を書くのか。そんなテーマで昨年、話を聞いた時のことだ。
スポーツ記者には時代が変わっても、変わらない仕事がある。独自の視点を持つこと、徹底して調べること。藤島さんは「つまりはうまく書くこと」と言い、石川さんの名を挙げた。40年近く前に読んだ似顔絵入りのコラムの内容を詳しく語った。それだけの歳月を経て、なおも心に残るものが書けるのか。打ちのめされた。
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