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フィールドの向こうに

フィールドで輝きを放つ者もいれば、涙を流す者もいる。その向こうにある光景を見つめたい。

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スポーツを書くこと=田原和宏

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スポーツライターの藤島大さん=東京都内で2023年11月21日、田原和宏撮影
スポーツライターの藤島大さん=東京都内で2023年11月21日、田原和宏撮影

 あの人ならどう書くか。新年にあたり考えている。

 石川泰司(やすじ)さん。数冊の著者プロフィルには「社内随一の名文家といわれ」とある。身内のことを書くのか、とお叱りを受けるかもしれない。毎日新聞社の運動部の記者だった。昭和の頃のことだ。生前会うことはかなわなかった。

 きっかけはスポーツライターの藤島大(だい)さん(62)。スポーツの取材現場が様変わりする中、記者は何を書くのか。そんなテーマで昨年、話を聞いた時のことだ。

 スポーツ記者には時代が変わっても、変わらない仕事がある。独自の視点を持つこと、徹底して調べること。藤島さんは「つまりはうまく書くこと」と言い、石川さんの名を挙げた。40年近く前に読んだ似顔絵入りのコラムの内容を詳しく語った。それだけの歳月を経て、なおも心に残るものが書けるのか。打ちのめされた。

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