対中国、フィリピンが深める海上外交 米以外にも「同志」求める
- ポスト
- みんなのポストを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
3日行われた岸田文雄首相とフィリピンのマルコス大統領との会談では、日本政府による装備品提供などの新たな枠組み「政府安全保障能力強化支援(OSA)」や、自衛隊とフィリピン軍の相互往来をスムーズにする「円滑化協定(RAA)」など安全保障分野での連携が中心テーマとなった。東・南シナ海での活動を活発化させる中国を念頭に、両国の関係強化は今後も続きそうだ。
◇
南シナ海の領有権を巡るフィリピンと中国の対立が高まる中、フィリピンは、長年の同盟国である米国以外の「同志」との軍事連携を急速に広げている。南シナ海周辺では、中国も他国と合同軍事演習をするなど、海での国家間協力を深め、連携を誇示する「海上外交」が活発化しており、フィリピンは地理的に近い日本とより強い連携を望んできた。
10月にフィリピンのルソン島南部で実施された比米海軍の定例の合同軍事演習は、日英豪やカナダ、フランスが加わったほか、ニュージーランドとインドネシアがオブザーバー参加し、過去最大規模となった。比海軍のアダチ中将は開幕式で「演習は、広範にわたる安全保障の課題への対応力を高めるものだ」と強調。地元メディアはタガログ語で「サマサマ(共に)」と呼ばれる同演習について、「南シナ海問題で中国に対抗する『同志』の結束を示した」などと報じた。
世界の貿易のおよそ3分の1が行き来するとされる南シナ海は、世界的にも重要な貿易ルートの一つだ。緊張の高まりと比例して、フィリピンと他国の軍事連携は急速に広がっている。
カナダとは10月、同国の衛星システムを利用し、南シナ海沿岸を監視する協定を締結した。このシステムを使うことで、位置伝達装置の電源を切った状態の船も探知することができる。違法漁業をする中国船の位置を把握しようというのが比側の狙いだ。
日本とは…
この記事は有料記事です。
残り496文字(全文1254文字)
【時系列で見る】
-
沖縄で軍備増強に反対する初の大規模集会 「戦場にさせない」
156日前 -
公明・高木氏、防衛装備の移転「戦闘地域を除外」の意向
157日前 -
沖縄 交差するまなざし 「平和」を発信、与那覇恵子さん/下 「ワジワジする」国の姿勢
157日前注目の連載 -
次期戦闘機共同開発、日英伊防衛相が協議 進捗状況を確認
159日前 -
殺傷武器の部品は輸出容認の方針 防衛装備移転見直し・与党WT
162日前 -
日米韓防衛相会談 ミサイル即時共有システム、12月稼働で合意
167日前 -
自衛隊と米軍の制服組トップが会談 日米同盟強化へ意見交わす
169日前 -
公明・西田税調会長 所得税増税は遅らせる考え 防衛力強化財源巡り
172日前 -
岸田首相、マレーシア首相と会談 中国念頭に安保など連携強化
174日前 -
対中国、フィリピンが深める海上外交 米以外にも「同志」求める
176日前深掘り -
台湾有事、共通の懸案 フィリピン外交の優先度、高める日本
176日前深掘り -
軍装備提供の枠組み、日本がフィリピンに初適用 首脳会談で合意
176日前 -
防衛装備移転三原則 埋まるかも不明な自公の溝 8日に協議再開
176日前図解あり -
フィリピンに国産防空レーダー納入 「防衛装備移転三原則」制定後初
177日前 -
日英部隊派遣の円滑化協定を初適用 15日から日本で島しょ防衛訓練
177日前 -
ロシアのヘリか、領空侵犯 根室半島沖 露政府に厳重抗議
179日前 -
日米、11月に経済版2プラス2 「脱中国依存」の具体策を検討
180日前 -
防衛増税と所得減税「矛盾しない」 首相、衆院予算委の答弁で
180日前 -
首相、防衛増税時期巡り「所得減税と同時実施しない」 衆院予算委
183日前