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2023・秋/3 川野浩一さん(83) 首相の回答「中身何もない」

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 <「被爆体験者」救済要請の先頭に立ち続ける documentary report 293>

 政府の説明は到底受け入れられないものだった。8月30日に首相官邸であった長崎の被爆者団体と岸田文雄首相らとの面会。「中身が何もない。私がその場にいたら厚生労働相の言葉を遮っていた」。体調を崩して上京を見送り、オンライン中継で見守った被爆者団体代表の川野浩一さん(83)=長崎県長与町=は感情をあらわにした。

 面会では、川野さんが議長を務める県平和運動センター被爆者連絡協議会など4団体が岸田首相に、被爆者とは認められていない「被爆体験者」を救済するよう求めた。同席した加藤勝信厚労相(当時)は「長崎には原爆投下後に(放射性物質を含む)雨が降った客観的な記録がない」などと従来の見解を繰り返した。岸田首相からも被爆体験者の救済策について新たな言及はなく、「ゼロ回答」だった。終了後、川野さんは「冷たい対応で非…

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