「浪花のモーツァルト」キダ・タローさん 日本S関西対決なら…

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阪神タイガースとオリックス・バファローズの日本シリーズでの関西対決に期待を込める作曲家のキダ・タローさん=大阪府豊中市で2023年10月4日、川平愛撮影
阪神タイガースとオリックス・バファローズの日本シリーズでの関西対決に期待を込める作曲家のキダ・タローさん=大阪府豊中市で2023年10月4日、川平愛撮影

 今季のプロ野球はセ・リーグを阪神タイガース、パ・リーグをオリックス・バファローズが制し、59年ぶりの「関西ダブル優勝」となった。クライマックスシリーズのファイナルステージが18日に始まるのを前に、地元では両チームの日本シリーズ進出への期待が高まる。「タイガース音頭」を作曲し「近鉄バファローズの歌」の編曲を手掛けた「浪花のモーツァルト」ことキダ・タローさん(92)は、どんな思いで見守るのか。【最上聡】

近鉄消滅「人生に影」

 キダさんと野球の関わりは今から70年ほど前にさかのぼる。「末っ子で甘やかされて育って、20歳を過ぎても一人で喫茶店にも行かないボンボン」がバンド活動にはまり、ピアノを弾いていたとき、たまたま新聞で目にしたのが近鉄パールス(大阪近鉄バファローズ設立時の名称)の記事だった。「清潔な名前、東京六大学出身者中心と、上品で私好みだった。負けてばかりで最下位だが、強すぎると憎たらしいもの。波長が合った」と振り返る。

 1958年に近鉄バファロー、62年に近鉄バファローズと改名したころから、チームは徐々に上昇する。ファンを公言していたキダさんは、誘われて球場で観戦するうち「いつの間にか後援会副会長になっていた」。ファンの集いの運動会では、選手の仮装大会の審査委員長を務め、桃太郎に扮(ふん)した野茂英雄さんを優勝させたこともある。「だから、『俺が野茂を育てた』が口癖なんです」と笑う。

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