稼ぎ頭失い、迷走続く札幌ドーム 10億円かけた奇抜な運用の効果は?
毎日新聞
2023/9/28 11:00(最終更新 9/28 11:00)
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プロ野球・日本ハムの本拠地移転で、稼ぎ頭を失った札幌ドーム(札幌市豊平区)。減収対策として今春から、税金10億円を投入して巨大な間仕切りを使う「新モード」が導入された。ただ、初めての運用は9月になってからと低調だ。「迷走」が続く大型施設はどこに向かうのか。
9月10日、札幌ドームで開かれたラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会の日本―チリ戦のパブリックビューイング(PV)。会場に入ると、アリーナを二分する巨大な暗幕と、特設スクリーンが目に飛び込んだ。試合中継の音声はクリーンに響き、現地のスタジアムの歓声が臨場感を高める。来場した1860人のファンはビールを片手にアリーナのテーブル席や外野スタンドの客席に座り、日本がトライを挙げるとひときわ大きな声を上げていた。
PVはドームを所有する札幌市、運用する第三セクター「株式会社札幌ドーム」、北海道ラグビー協会などが主催。鳴り物入りで導入された「新モード」の初めての運用だった。
札幌ドームは2002年のサッカーW杯日韓大会に合わせて建設された。野球、サッカーなどのスポーツやコンサートといったイベントに対応する全天候型の施設。日本ハムやサッカーJ1・北海道コンサドーレ札幌の主催試合があり、経営は比較的安定していたが、日本ハムの本拠地が今季から隣接する北広島市の「エスコンフィールド北海道」へ移ったことで、収入確保が課題となった。
そこで打ち出したのが、最大5万人余りを収容するドーム内を暗幕で二分し、2万人規模のイベントに対応する新モードだ。
外野側と本塁側を…
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