「ずっと一緒に遊びたい」 芸歴23年目でブレーク中のなすなかにし

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漫才コンビ「なすなかにし」の中西茂樹さん(左)と那須晃行さん=大阪市中央区で2023年8月12日、川平愛撮影
漫才コンビ「なすなかにし」の中西茂樹さん(左)と那須晃行さん=大阪市中央区で2023年8月12日、川平愛撮影

 センターマイクの前でおじさん2人が、子どものように遊んでいる。それが妙におかしくて、心地よい。いとこ同士の那須晃行(あきゆき)さんと中西茂樹さんによる漫才コンビ「なすなかにし」。舞台だけでなく、2022年には約300本のロケに出演するなど、芸歴23年目にしてますます活躍の場を広げている。だがその道のりは険しかった。「調子に乗っていた」という若手時代から一転、乗り込んだ東京ではどん底も経験した。ブレークのきっかけは何だったのか。

「『漫才』を作る感覚ではない」

 デビュー22周年を記念し、22年2月2日から月1で開催している単独ライブ「なすなかと22」。8月12日の大阪公演(心斎橋角座)をのぞいた。若手時代を過ごした大阪での単独ライブはおよそ10年ぶり。福岡や名古屋からもファンが駆けつけ、会場はまるでアイドルのコンサートのような熱気だ。

 鉄板のしゃべくりやコント漫才の掛け合いは円熟味がある。正統派のネタの合間に、互いの体を触り合ったり、お尻をぶつけ合ったりと、じゃれ合う度に2人の笑いが客席に伝染していく。

 ネタ作り担当の中西さんは「子どもの時からふざけ合ったり、しゃべったりしていたことを書いているだけ。『漫才』を作るって感覚ではないです」。台本ではきっちりしたセリフは決めず、那須さんのツッコミは空白にしている。漫才は「遊び」の延長線上にあるもの。型にこだわらず、稽古(けいこ)も必要以上にはしない。「お互いに笑い合えるネタを目指しています。自分たちが楽しければお客さんにも伝わると思う」と那須さん。

「調子に乗っていた」若手時代

 「大人になっても一緒に面白いことをしたい」と芸能界に飛び込んだ。01年にデビューし、大阪を拠点に活動。将来を期待され、2年目にはテレビのレギュラー番組も決まった。2人は「調子に乗っていた」と振り返る。簡単に売れる世界だと勘違いしたまま、08年に東京進出した。

 だがそこで、現実を突きつけられた。…

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