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スペイン総選挙 中道右派、第1党に 左派政権批判・極右忌避、追い風

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 23日に投開票されたスペイン総選挙は左右両陣営とも過半数に届かない中、最大野党の中道右派・国民党が第1党となった。政権入りの可能性が注目された極右政党ボックス(VOX)は事前の世論調査ほど伸びなかったが、第3党の座を維持した。なぜ国民党が躍進し、ボックスはスペイン社会に浸透したのか。背景を探った。

カタルーニャ独立問題 極右に一定票

 「左派の失政はひどかった」。開票が始まった23日午後9時すぎ、マドリード市内の国民党本部前で会社役員のフアン・カルロスさん(58)はそう語り、サンチェス首相率いる穏健左派・社会労働党を中心とした左派連立政権を批判した。「国民党優勢」の選挙速報が流れ、党支持者や報道陣が続々と集まる中、税理士のルイスさん(29)も「景気回復が遅れ、外交も内政も停滞した」と話し、左派政権の阻止を訴えた。

 国民党躍進の背景について、英カーディフ大のアンドルー・ダウリング准教授(スペイン現代史)は「サンチェス政権は最低賃金の引き上げなど、国民が好意的に受け止める多くの法案を成立させた。だが(LGBTQなどの)性的少数者を巡る問題では同じ左派の間に分裂を生み、かえって右派を勢い付かせる結果になった」と見る。

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