最高裁、中絶禁止容認判決から1年 米で広がる「選ぶ権利」奪う動き
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米連邦最高裁が州による人工妊娠中絶の禁止を容認する判決を出してから24日で1年を迎えた。全米50州のうち14州で中絶は原則的に禁止され、中絶反対派はさらなる規制を求めている。しかし、極端な規制に道を開いた判決への反発も強く、中絶容認派が多い民主党は2024年の大統領選で争点化しようとしている。【ワシントン秋山信一】
「命を守る戦いは終わっていない」。首都ワシントンのリンカーン記念堂前で24日、胎児の命を重視する中絶反対派数百人が集まった。東部メリーランド州から来たアンドリア・キャンベルさん(70)は「地元では従来通り、中絶が続けられている」と憤る。中絶が原則的に禁止された南部テキサス州の男子大学生、ローガン・リーさん(20)は「命を大事にする。単純な道徳の問題だ」と全米での中絶禁止を求めた。
22年6月の最高裁判決は「憲法は女性が中絶を選ぶ権利を保障している」とする1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆し、中絶規制の判断を州に委ねた。中絶反対派が多い共和党の主導で中絶を規制する州法が相次いで施行され、米紙ワシントン・ポストによると、24日時点で14州で中絶が原則的に禁止された。
南部ジョージア州では胎児の心拍確認(妊娠6週ごろ)後の中絶が禁止になり、6州では州の裁判所の判断次第で禁止される可能性がある。レイプや近親相姦(そうかん)で妊娠した場合の中絶を例外としない州もある。
中絶断念の女性が増加、州を越える動きも
非営利団体「家族計画社会」の調査によると、全米の中絶件数は、判決前(22年4~5月)の月平均8万1730件から判決後(22年7月~23年3月)は同7万9031件に減り、中絶を断念する女性が増えたことがうかがわれる。一方、中絶が原則禁止になった州に隣接する中西部イリノイ州や…
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