始まりは1950年代 別府湾の泥に「記録」された現代の暮らし

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別府湾の空撮写真=横山祐典・東京大教授提供
別府湾の空撮写真=横山祐典・東京大教授提供

 人類の痕跡が地層に残る、新たな地質時代として提唱されている「人新世」。大分・別府湾の海底の地層はその始まりを示す代表地点の候補として注目されているが、そこには、今の暮らしに欠かせない素材が環境を汚染し続けている「証拠」も刻まれている。

堆積物でプラ汚染の変遷を分析

 「別府湾はプラスチックの歴史を記録している、すごくいい『記録媒体』です」

 愛媛大の日向(ひなた)博文教授(沿岸海洋学)らの研究チームが調べているのは、海底にたまった「マイクロプラスチック(MP)」だ。直径5ミリ以下の微小なプラ粒子のことで、環境中に流出したプラごみが海の波や紫外線などによって細かくなったものも多い。MP汚染は世界中で深刻化しており、生態系や食物連鎖による人体への悪影響が懸念されている。

 MP汚染はいつ始まり、どう変遷してきたのか。…

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