スキージャンプ女子に地殻変動 競技環境失ったカナダ勢躍進の理由
毎日新聞
2023/2/3 07:00(最終更新 2/4 05:20)
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ノルディックスキーのジャンプ女子で、これまで活躍が目立たなかったカナダ勢が躍進している。過去に冬季オリンピックを2度も開催しながら、ジャンプはマイナー競技。練習するにも「本場」の欧州へ飛び出さざるを得ない苦しい事情が、かえって急成長をもたらした。日本にゆかりの深い人物も下支えしている。
どんな回転するの?
「カナダの女性として初の勝利は私だけでなく、チーム全体にとって素晴らしいことです」
1月13日、山形市のアリオンテック蔵王シャンツェで行われたワールドカップ(W杯)個人第12戦で、ジャンプ女子のカナダ勢として初優勝を飾ったアレクサンドリア・ルティト選手(19)は、快挙を穏やかに振り返った。
北京五輪の混合団体銅メダルメンバーだが、W杯の個人戦は昨季デビューしたばかり。今季は初めて1桁順位を記録し、勢いに乗って表彰台の中央に立った。
カナダは1988年カルガリー、2010年バンクーバーと2度の冬季五輪を開催した「ウインタースポーツ大国」だが、ジャンプは知名度や競技人口でアイスホッケーやアルペンスキー、フィギュアスケートなどに大きく水をあけられている。
カルガリー生まれで、14年ソチ五輪12位の元カナダ代表、田中温子(あつこ)さん(31)は「カナダではスキージャンプが何かすら分かっていない人がすごく多い。フリースタイルスキーだと思われて、『どんな回転をするの?』とよく聞かれます」と苦笑いする。
両親が日本人の田中さんはより良い競技環境を求めて北海道の大学に進学し、一時は日本代表として技術を磨いたこともある。カナダでの活動拠点だったカルガリー…
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