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「老害」の現実と本音描いた作家・内館牧子さん 若者と老人は「別世界の人」

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インタビューに答える内館牧子さん=東京都港区で2023年1月13日、尾籠章裕撮影
インタビューに答える内館牧子さん=東京都港区で2023年1月13日、尾籠章裕撮影

 社長を引退した高齢男性が、後継ぎの娘婿をはじめ、誰彼かまわずに手柄話を繰り返す。そんな世間で耳にしたような題材を小説化した「老害の人」がベストセラーになっている。人生100年時代、「老い」とどう向き合うかは切実なテーマだ。作者の内館牧子さん(74)に「老害の傾向と対策」について聞いてみた。

 「老害」を三省堂の国語辞典で引くと、「年をとった人間が上層部にいすわって、元気な若い人の活動のじゃまになること」とある。最近は、世間で迷惑な振る舞いをする高齢者一般を指すことも多いようだ。お年寄りがそう言われたら、ドキッとするだろう。

 小説「老害の人」では、一時代を築いた企業経営者の男性が、引退後も会社に来ては自慢話を繰り返し、社員を困らせる。社長の仲間もしかり。ある老夫婦は素人俳句に下手な絵を添えた句集を作っては自慢し続ける。ことあるごとに「死にたい」と口にする高齢の女性や、孫自慢を垂れ流す中高年女性らも登場し、世代間の葛藤が辛辣(しんらつ)に、かつユーモラスに描かれる。

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