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「全然知らなかった」とビックリ ENEOS度会隆輝が越えた「壁」

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第47回社会人野球日本選手権の2回戦で右越え3点本塁打を放った度会隆輝外野手。最多本塁打賞の7本目を達成した=京セラドーム大阪で2022年11月5日、中川祐一撮影
第47回社会人野球日本選手権の2回戦で右越え3点本塁打を放った度会隆輝外野手。最多本塁打賞の7本目を達成した=京セラドーム大阪で2022年11月5日、中川祐一撮影

 洋の東西を問わず、「壁」を越える人がいる。スポーツの世界もしかり。記録を破った選手たちの胸の内は気になるところだ。なぜ、壁を越えることができたのか。社会人野球では今季、破られなかった6本という「本塁打の壁」を越える選手が現れた。

「お祭り男」の勝負強さ

 社会人野球では2010年に、主要大会で争う個人記録賞が制定された。その一つが「最多本塁打賞」。過去最多は4人が記録した6本塁打だったが、今季、ENEOSで高卒2年目の度会(わたらい)隆輝外野手(20)が7本塁打で記録を塗り替えた。

 度会選手に本塁打の最多更新の心境を聞くと開口一番、「えっ、そうなんですか。全然知らなかったです」と目を丸くした。

 最多本塁打に加え、最多打点(21打点)と外野手部門のベストナインの「3冠」に輝いた22年シーズン。開幕戦のJABA東京スポニチ大会で2本塁打を放って好発進すると、優勝した夏の都市対抗野球大会では5試合で4本塁打と驚異的な数字をたたき出した。この時点で本塁打数は過去最多の6本に並び、秋の日本選手権では2回戦で本塁打を放って7本とし、最多を更新した。

 「都市対抗予選の直前からいい状態になり、本塁打を打てる自信がありました」。得点圏に走者を置くとめっぽう強い「お祭り男」だ。打席に向かう表情から勝負強さが読み取れる。

 「チャンスだと緊張して萎縮してしまったり、余計に力が入ってしまったりするかもしれないけど、ぼくは得点圏に走者がいると…

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