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特別展・国宝・東京国立博物館のすべて

東京国立博物館創立150年記念の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」。展示される国宝を紹介します。

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/6 八橋蒔絵螺鈿硯箱 流麗かつ力強い線 /東京

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国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」尾形光琳作、江戸時代・18世紀、東京国立博物館蔵〈11月15日~12月11日展示〉
国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」尾形光琳作、江戸時代・18世紀、東京国立博物館蔵〈11月15日~12月11日展示〉

 長い歴史をもつ「蒔絵(まきえ)」が複雑多彩な表現を獲得し、技法として爛熟(らんじゅく)の極みに達した時代が、本作の登場した舞台である。ところが本作は漆と金、螺鈿(らでん)と鉛板のシンプルな色面で構成されており、その理知的な造形は蒔絵が追い求めてきた「豪華さ」とは別の地平にある。

 一方で漆塗りの部分は高い熟練を要する塗…

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