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安倍元首相銃撃事件を機に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に改めて注目が集まっています。

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この国はどこへ これだけは言いたい 「知ること」がカルトから身を守る ジャーナリスト・江川紹子さん 64歳

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ジャーナリスト・江川紹子さん=東京都港区で2022年9月30日、三浦研吾撮影
ジャーナリスト・江川紹子さん=東京都港区で2022年9月30日、三浦研吾撮影

 かつてオウム真理教事件を追ったジャーナリストの江川紹子さん(64)は2年前から、神奈川大で教壇に立っている。メディア・ジャーナリズム論と並んで、担当するのがカルトに関する講義だ。初回の授業ではカルトから連想する言葉を自由に書いて提出してもらっているが、最近、学生の回答内容に目に見えて変化があったという。

 「今年の前期までは、具体的な団体名として出てきたのは圧倒的にオウムでした。だけど先日あった後期最初の授業では、一気に『統一教会』と書く学生が増えたんです」。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題が連日取り沙汰され、その影響が如実に出た格好だが、「逆に言えば、これまで全く知らなかったんだなって」。メディアが取り上げなくなった「空白の30年」を、いみじくも学生の反応で実感したのである。

 カルト教育は、江川さん自身が長く実現を望んできたものだった。オウムに入信した当時の若者たちは、何も特別な人たちではない。むしろ善良な人たちがハマり、残忍な犯罪に手を染めるようになった。だからこそ啓発の必要を訴えてきたのだが、社会の関心は時とともに低下していった。加えて江川さんが指摘するのが、オウムが巨悪であったがゆえの「弊害」だ。

 「カルトの概念がオウムによってねじ曲げられたところがある。カルトは、あんなにもとんでもないことをする団体なんだと」。…

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