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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から2年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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尿、大便は「機密情報」 プーチン氏の排せつ物を回収する側近

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記者会見に臨むロシアのプーチン大統領=モスクワで2022年6月10日、ロイター
記者会見に臨むロシアのプーチン大統領=モスクワで2022年6月10日、ロイター

 ロシアのプーチン大統領(69)の側近が、大統領の大便を回収している――。最近、海外メディアがこうした「裏事情」を報じた。背景には、プーチン氏の重病説を巡る報道が相次いでいることがある。国家首脳の健康状態は政権存続のバロメーターとなることから一級の「機密情報」とされ、情報機関は水面下で政治リーダーの尿や大便を採取するなどして情報収集してきた歴史がある。プーチン氏の周囲で何が起きているのか、専門家と読み解いた。【賀有勇、八田浩輔】

プーチン氏に重病説

 排せつ物の採取を巡っては、旧ソ連首脳が使用したトイレの配水管をフランス政府が解体したり、北朝鮮が採取を恐れて自前のトイレを持参したりした逸話が残る。田中角栄氏が首相当時にソ連で尿を採取された可能性もあるという。これら国政政治の舞台裏で繰り広げられるインテリジェンス(情報収集・分析)の世界は後段で詳述するとして、まずはプーチン氏の重病説に関する報道を振り返りたい。

 「非常に悪い状態にある」。ロシアの侵攻を受ける中、ウクライナの国防省情報部門トップは、5月14日放映の英スカイニュースで「確かな情報」としてプーチン氏が「がんやその他の病気」を患っていると述べた。

 英紙タイムズ(電子版)も同日、「血液のがん」の可能性を報じた。米誌ニューラインズが入手した音声ファイルの会話を引用し、プーチン氏に近いロシア新興財閥「オリガルヒ」の男性が「(プーチン氏は)血液のがんに関連する腰の手術を受けた」と西側投資家に語ったと報道。また、ロシア独立系メディアの分析として、プーチン氏ががん専門医を常に同行させていると伝えた。

 このほか、記者会見の際にプーチン氏の手が震えていたことからパーキンソン病を疑う報道も出た。

ロシア政府は否定

 こうした報道に対し、ロシアのラブロフ外相は5月29日に放映された仏民放テレビのインタビューで「うわさを広めるかどうかは良識に委ねる」と重病説を否定した。だが、米誌ニューズウィーク(電子版)は6月2日に米情報当局の分析として、プーチン氏が進行したがんの治療を4月に受けたと報道。「うわさ」がやむ気配はない。

 ときわ会常磐病院(福島県いわき市)で乳がんの治療を専門とする尾崎章彦医師(37)は「推測に過ぎません」と前置きした上で、プーチン氏の顔がむくんでいるように見える点に着目して…

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