特集

河井夫妻選挙違反事件

19年参院選を巡る大規模買収事件で、河井克行元法相と妻の案里元参院議員の有罪判決が確定。現金を受け取った地方議員に厳しい目が。

特集一覧

35人「起訴相当」判断 民意との乖離浮き彫り 問われる検察の意義

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
検察審査会の議決について「市民目線で判断してくれた」と評価した「河井疑惑をただす会」の山根岩男さん(右)ら=広島県庁で2022年1月28日午後2時34分、小山美砂撮影
検察審査会の議決について「市民目線で判断してくれた」と評価した「河井疑惑をただす会」の山根岩男さん(右)ら=広島県庁で2022年1月28日午後2時34分、小山美砂撮影

 河井克行元衆院議員と妻の案里元参院議員から現金を受領したとされる地方議員ら100人を一律で不起訴とした検察に対し、市民から選ばれた検察審査会が35人を「起訴相当」とする極めて異例の判断を示した。「民意」と検察権の行使の間の深刻な乖離(かいり)が浮き彫りとなった。検察の存在意義が問われる事態だ。

検察内部にも「全員不起訴はおかしい」

 買収事件では買収と被買収は表裏一体で、警察、検察はこれまで、受領側にも厳しい姿勢で臨んできた。捜査関係者の一人は、受領側の処分の境界線を「5000円から20万円未満なら略式起訴、20万円以上なら公判請求」と証言する。

 2019年参院選を巡って河井夫妻が渡した現金は300万~5万円。100人の中には、公職選挙法を最も順守すべき立場の県議や首長ら政治家が約40人いた。特捜部は処分に当たり、「起訴、不起訴の線引きは困難」と説明したが、検察内部でも「全員不起訴はおかしい」と異論があり、検察審査会が厳しい判断を下すとの予測も出ていた。

 審査会は予測通りの判断を示した。…

この記事は有料記事です。

残り1801文字(全文2250文字)

【時系列で見る】

関連記事

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月