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日米地位協定

在日米軍に対する特別待遇を定め、さまざまな問題を生む元凶ともされる日米地位協定。見直しを求める声が広がっています。

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日米合同委員会 米軍特権の基礎知識

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日米合同委員会のイメージ=加藤隆寛作成(写真は動画から) 拡大
日米合同委員会のイメージ=加藤隆寛作成(写真は動画から)

日米合同委員会

 1952年調印の日米行政協定で設けられた協議機関。1960年からは行政協定を引き継いだ日米地位協定に基づき設置されている。東京都心でほぼ隔週で開かれており、日本の省庁幹部と在日米軍幹部が米軍や基地の具体的な運用の実務者協議を行っている。

 代表者は日本側が外務省北米局長、米国側が在日米軍副司令官。「刑事裁判管轄権」「出入国」「航空機騒音対策」「訓練移転」「在日米軍再編」など分野ごとの分科会や部会が30以上設けられており、本会議に当たる合同委員会で合意事項が決定される。

 合意事項は日米双方に拘束力をもつが、協議は非公開で内容は日米双方の合意がなければ公表されず国会への報告義務もない。このため、国民の知らない密約が数多く結ばれているとの指摘がある【記事①】 【記事②】 【記事③】。

米軍基地内で並んではためく日本と米国の国旗=沖縄県読谷村で2021年11月26日午後0時39分、喜屋武真之介撮影 拡大
米軍基地内で並んではためく日本と米国の国旗=沖縄県読谷村で2021年11月26日午後0時39分、喜屋武真之介撮影

 既に明らかになっているのが、米兵の公務外犯罪を巡る「裁判権放棄密約」だ。1953年10月28日の日米合同委員会裁判権小委員会の議事録の中で日本側代表の津田実・法務省総務課長(当時)が「実質的に重要と考えられる事件以外では、第1次裁判権を行使する意図を通常有しない」と述べた秘密の了解を指す。米公文書にこの記録が残るが、外務省は「予測を述べたものに過ぎず、何らかの約束を述べたものではない」として効力を否定している。

 2018年の沖縄県議会で翁長雄志知事(当時)は「日米地位協定が憲法の上にあって、日米合同委員会が国会の上にある」と語っている。

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