騒然「お金動く日になぜ」 みずほ障害、顧客目線の弱さまた露呈

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窓口での取引ができなくなり、対応を説明するみずほ銀行の行員ら=東京都板橋区で2021年8月20日午前9時47分、松岡大地撮影
窓口での取引ができなくなり、対応を説明するみずほ銀行の行員ら=東京都板橋区で2021年8月20日午前9時47分、松岡大地撮影

 今年5回目となるシステム障害を起こしたみずほ銀行。再発防止を誓い、対策に乗り出したところでの失態に、失った信頼を回復する道は一段と遠のいた。金融庁も事態を重く見ており、経営責任問題への発展は免れそうにない。

 20日は給与振り込みや決済が集中する日だけに、窓口業務が一時停止したみずほ銀の支店では、顧客から不満が噴出した。

 東京都板橋区の板橋支店を訪れた30代の男性会社員は「マンションのローンの引き落としの手続きに来たが、窓口が使えずいったん帰るしかない」と店を後にした。墨田区の錦糸町支店を訪れた川崎正子さん(82)は「最近、障害が多くて困る。他の銀行ではあまりないのに、なぜみずほだけ」と憤った。江東区で製造業を営む女性(47)は「20日は給料日の会社が多い。お金が動く日に何をやっているのか」とあきれた表情で話した。

 大半の取引は現金自動受払機(ATM)やインターネットバンキングでもできるため、窓口での混乱は長くは続かなかったとみられる。それでも、経済のインフラを担う銀行でたびたび業務が滞る現状に、顧客の不信感は高まる一方だ。

 東京都内で20日に記者会見した親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長は「立て続けにご迷惑をかけたということ自体が、取引する際の不安につながりかねない事態で、極めて重く受け止めなければならない」と険しい表情を見せた。

 同社によると、坂井社長やみずほ銀の藤原弘治頭取らが問題を把握したのは19日午後10時過ぎだった。…

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