数学好きのお茶目 益川敏英さんの才能と人柄、友人らしのぶ

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ノーベル賞受賞が決まり、舌を出して喜ぶ益川敏英さん=京都産業大で2008年10月7日、望月亮一撮影
ノーベル賞受賞が決まり、舌を出して喜ぶ益川敏英さん=京都産業大で2008年10月7日、望月亮一撮影

 素粒子物理学の分野で、クォークに関する「小林・益川理論」で2008年のノーベル物理学賞を受賞した京都大名誉教授の益川敏英(ますかわ・としひで)さんが23日、上顎(じょうがく)歯肉がんのため死去した。

 益川さんは少年時代からとにかく数学好き。友人らはその才能と人柄をしのんだ。

 名古屋市立向陽高校で3年間、理系クラスの同級生だった田中正興(まさおき)さん(82)=名古屋市=は「教室で数学の奇問を見せてきたり、面白かった数学の本について話してくれたり。学校でも数学と物理の話しかしないような変わった高校生だった。実は腕力も強く、体力測定で懸垂を延々と続けていたのも思い出。ついに益川も逝ったかと思うと寂しい。後になって心にぽっかり穴が開いてしまうだろう」と声を落とした。

 高校の同級生だった杉山茂雄さん(81)=同市=も数学の参考書に取り組み、解けるまで答えを見ず諦めない益川さんの姿が印象に残っているという。「英語など同級生の中には彼よりも優秀な人間はいたが、科学の分野では飛び抜けていた。一つのことを突き詰めた人生を歩んだと思う」と話した。

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