連載
2児のパパでもある政治学者が、ひょんなことから小学校のPTA校長に。「ええい、PTAを変えてやる!」という意気込みは、しかし、幾重もの壁に阻まれる。3年間の山あり谷ありから見えてきた「地べた目線の民主主義」とは?
/5止 制度と人間、言葉の大切さ思い知った 街で民主主義の練習 日本の政治、終わらせない
毎日新聞
2021/5/30 東京朝刊
有料記事
2349文字
- ポスト
- みんなのポストを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
PTA活動で3年間、「地べた目線のデモクラシー」の実践を重ねるうち、政治学者で専修大教授、岡田憲治さん(58)に見えてきたものがある。PTAに限らない、日本の政治や社会が抱えるさまざまな問題だ。
「小学校の校庭が閉鎖された」。今年4月、東京都などに3度目の緊急事態宣言が出た時のことだ。岡田さんはその1カ月前、会長職を終え、PTA活動を“卒業”していた。近所の公園を見て驚いた。「ゲーム機を持って集まった小学生たちが30人くらい、狭い公園で『密』を作っている。校庭閉鎖はかえって感染予防に逆行していないか?」
PTA活動から自発的に生まれた、子どもたちの居場所を考える有志のネットワークが、教育委員会に問い合わせた。「どんな議論を経て校庭閉鎖となったのか議事録を確認させてください」と。ところが回答は二転三転。あげくの果てに「すみません、議事録は取っていませんでした」。
この記事は有料記事です。
残り1963文字(全文2349文字)