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黄色いヒタキ、キビタキ。夏に日本などで子育てする渡り鳥です。実に可愛らしいさえずりで、カタカナでは簡単に表現できない複雑な歌声を持っています。個人的な聞きなしをこっそり白状すると、「ピッコロロ、ピッコロロ、クルクルリン♪」というのは無理やりすぎるでしょうか。
学生時代の私にとって、キビタキは東京の高尾山6号路で出会える鳥として、初夏の登山を楽しみにしていました。ところが鳥取に引っ越してきてから、平地の神社やお寺、城跡公園などで普通に鳴き声が耳に入ってくるのです。自宅の裏山からもさえずりが聞こえてくる年もあります。しかし、姿はなかなか見えません。森の中から、嫁さん募集中のラブソングがすぐそばで歌われていても、残念ながら南部町でじっくりと姿を拝めたことはほとんどないのです。
英語ではNarcissus Flycatcher(ナルシサス・フライキャッチャー)といいます。ナルシサスは水仙のこと。そして、フライキャッチャーはハエを捕る小鳥のこと。獲物となる飛ぶ虫が多く見られる、生物多様性度の高い森に好んで生活しています。
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