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浪花千栄子さんゆかりの商家=大阪府富田林市 「おちょやん」救った“ご寮さん”

浪花さん(中央)と一緒に写真に収まる越井家の人たち。左隣が”ご寮さん”のイクさん
浪花さん(中央)と一緒に写真に収まる越井家の人たち。左隣が”ご寮さん”のイクさん

 <おでかけ>

 映画やドラマなどで名脇役として活躍した大阪を代表する女優、浪花千栄子さん(1907~73年)がモデルのNHK連続テレビ小説「おちょやん」。浪花さん本人は「血のにじむような思い出ばかり」と表現するほどの少女時代を過ごし、辛苦のどん底から身を起こした。転機となったのは、奉公先の商家の“ご寮さん”(女主人)との出会い。初めて人の善意や愛情に触れ、自立して生きる意志が芽生えたという。その商家は今も、浪花さんの古里・大阪府富田林市の古い町並みの中にたたずまいを残す。そこに暮らすご寮さんの孫たちは、再びスポットライトを浴びることになった「昭和の名女優」に格段の思いを寄せている。【中川博史】

 浪花さんは鶏の行商をしていた家に生まれ、幼くして母親を亡くした。横暴な父親や継母にほんろうされて極貧生活を送り、9歳の時、芝居茶屋に弁当を納める大阪・道頓堀の仕出し料理屋に売られた。働き詰めだったが給金をもらえず、日常的にいじめを受けた。

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