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核兵器禁止条約

核兵器開発などを初めて全面的に禁じる核兵器禁止条約が21年1月22日に発効しました。核軍縮の前進につながるか注目されています。

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核兵器禁止条約発効~私の思い

湯川れい子さん、音楽家は“炭鉱のカナリア” 「核兵器だけでなく原発廃止も」

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湯川れい子さん
湯川れい子さん

 作詞家、音楽評論家としての人物像が表側の姿だが、湯川れい子さん(85)の幅広い知見をうかがううちに、平和や環境や政治まで含めた地球の生存バランスを正しい状態にしようとするセンサーないしは警報器のような役目を負っているのではないかと思うようになった。核兵器禁止条約に関する発言は、今、耳を傾けるべき問題点と解決への視座を与えてくれる。ちなみに、条約発効日が85歳の誕生日だった。【聞き手・川崎浩】

 「地球と人間」というものを考えると、歴史そのものが理想とする形に向かって生きていると思うんですよ。もちろん悪くなっていることも多い。でも、それを良くしようという動きが必ず生まれる。民主国家だって、反体制の動きに見える活動をしても、口をつぐんで思うだけにしても、心の中で思うことは、時間をかけて表に現れる。理想に向かって進んでいるのだと思う。ジョン・レノンの「イマジン」にある「僕だけが夢見る人じゃないよ」という歌詞通りです。この条約は、人々の心の奥の気持ちがようやく国際社会の表側に現れたということでしょう。

被爆国の日本こそリードしなくては

 被爆国の日本は「橋渡し役」なんて消極的な態度を取るのではなく、この動きをリードしなきゃいけない。条約を批准した国々を見てください。コスタリカ、バチカン、パラオ、ベトナム、パレスチナ……、核兵器があったら安心できない平和を求める国ばかりでしょう。ちゃんと発言する姿勢を見せることで、日本も国際社会の中でリーダーとして認められるんです。持てる国と持たない国の「橋渡し」なんてダメ。持てる国こそ一番おびえているわけです。持…

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