運転代行、延びた待ち時間 外で飲む人は減っているのに、なぜ?

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夜の街で待機中の運転代行業者の車=福岡市内で2020年11月10日午前0時9分、飯田憲撮影(画像の一部を加工しています)
夜の街で待機中の運転代行業者の車=福岡市内で2020年11月10日午前0時9分、飯田憲撮影(画像の一部を加工しています)

 夜の街に欠かせない運転代行サービス。車社会の地方を中心に全国の業者数は8000を超える。マイカーで飲みに行ったドライバーにとって心強い味方だが、最近「依頼してからの待ち時間が長くなった」「業者への電話がつながりにくい」といった声が増えているという。新型コロナウイルスの影響で飲み屋街の客足は減っているのになぜなのか。

 11月上旬、福岡市博多区の運転代行業者「オレンジ運転代行」を訪ねた。福岡県は沖縄県(739業者)に次いで全国で2番目に多い404業者(いずれも2019年現在)が登録する運転代行サービスの激戦区。同社は16台の車両を所有する福岡市最大規模の業者だ。

 午後9時すぎ、配車を依頼する電話が次々に鳴り始めた。仕組みはこうだ。飲食店や利用客本人から配車依頼が入ると、乗務員は2人一組で、1台の車(随伴車)で迎えに行く。タクシーと同じ2種免許の所持者が客の車を運転し、もう1人は随伴車で追走する。随伴車に利用客を乗せる行為は「白タク」行為として法律で禁止されているため、客は自分の車に乗る。送り届ければ、2人とも随伴車で帰る。

 昼間は不動産会社に勤め、1年前から副業で運転手をしている30代男性の随伴車に記者も同乗させてもらった。最初はJR博多駅前の居酒屋から福岡市南区へ。値段は初乗り1500円で、1キロごとに200円が追加される。遠距離ならタクシーよりも割安だ。

 その後も博多駅周辺や歓楽街の中洲から那珂川市や春日市などへの依頼が次々に入り、平日にもかかわらず翌日の未明まで事務所で休む間もなかった。送り先はいずれも福岡市内や近郊だったが、鉄道の最寄り駅から距離があり、やや不便な場所が多い。利用客からは「最初から代行業者に頼むつもりで、車で飲みに来た」「明日も仕事で朝から車が必要」といった声が聞かれた。

 運転手によると、最近のピーク時は依頼から迎えに行くまでの時間が長くなりがちで、待ち時間が40分を超えると説明すると断る客がほとんどだという。

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