「宗教は事実だ」 田中小実昌作品に登場、父・遵聖の説教集刊行

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田中遵聖(右)の家族。右から2人目が小実昌=『主は偕にあり』より
田中遵聖(右)の家族。右から2人目が小実昌=『主は偕にあり』より

 <日曜カルチャー>

 直木賞作家の田中小実昌(こみまさ)(1925~2000年)の父で牧師の田中遵聖(じゅんせい)(1885~1958年)の説教集『主は偕(とも)にあり』(新教出版社、3300円)が刊行された。

 田中小実昌は、神学校を出た父の転勤で4歳から広島県呉市で育った。旧制福岡高校在学中に出征。小説家や翻訳家として世に出て、軽妙かつ淡々とした作風で多くのファンを得た。79年に『ミミのこと』など2作で直木賞受賞。同年、『ポロポロ』で谷崎潤一郎賞を受賞した。福岡県出身の洋画家で、2014年に文化勲章を受けた野見山暁治は義兄に当たる。

 作品には牧師の父が多く登場する。『アメン父』(89年)では父とその宗教を詳述。<だれでも、宗教はココロの問題だとおもっている。ところが、宗教はココロの問題などとおもったら大まちがい、と父はいう>などと書いている。

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