内田康夫さん死去

未完「孤道」 次代に託す

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連載小説「孤道」について話す作家、内田康夫さん=長野県軽井沢町のティーサロン「軽井沢の芽衣」で2014年、内藤麻里子撮影
連載小説「孤道」について話す作家、内田康夫さん=長野県軽井沢町のティーサロン「軽井沢の芽衣」で2014年、内藤麻里子撮影

評伝

 「江戸っ子は五月のコイの吹き流し口先ばかりではらわたはなし」

 こんな川柳をひき、肩に力の入った物言いはしない自身の姿勢を笑ってみせた。「靖国への帰還」「遺譜(いふ)」などから響いてくる社会への憂いについて尋ねると、「生意気なことを言う知識も思想もないけど」と必ず前置きした。それが内田流のダンディズムだった。趣味の囲碁は文壇で一、二の実力。ピアノも弾きこなす。陰でどれほどの精進を重ねたか。

 作家には珍しいファンクラブ「浅見光彦倶楽部」(現「浅見光彦友の会」)を発足させ、浅見の記念館まで建てるアイデアマン。「売れなくなると出版社に悪いから」と、こまめにファンサービスをして、運営を夫人が支えた。

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