ソフィー・マルソー、自身の人生を振り返る。

Culture 2023.10.26

56歳の女優ソフィー・マルソーが10月23日(月)、著書『La Souterraine(原題)』のプロモーションのため、ベルギーの日刊紙『La Libre』のインタビューに応じた。その中で、彼女は自身のキャリア、映画監督アンジェイ・ズラウスキーとの恋愛の歴史、そして老いについて自身の考えを語った。

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第15回アングレーム国際漫画祭でのソフィー・マルソー。(フランス、2022年8月26日) photography: Abaca

ソフィー・マルソーは、幼少期、かなり内向的な子どもで、ただ人生を理解しようとしていた、と10月23日(月)発売のベルギーの日刊紙『La Libre』との最新インタビューで語った。このインタビューは、昨年春に発売された彼女の著書『La Souterraine』のプロモーションの一環として掲載されたもので、この著書では架空と現実の境界をまたいで13人の女性の肖像が描かれている。

ソフィー・マルソーは、自分の幼少期、映画監督アンジェイ・ズラウスキーとの恋愛、映画界でのキャリア、時事問題についても少し触れた。環境保護や人道的な活動に熱心な彼女は、次のように語っている。
「世界は悪い方向に向かっています。(中略)もちろん素晴らしいこともありますし、もっと前向きになりたいです。でも、もし私が今20歳だったら子どもを持ちたいと思うのでしょうか」

この発言は、先週、仏ラジオ局「フランスインター」でジャーナリストのサロメ・サクエが子どもを望まない理由のひとつとして特に環境問題の不安を挙げて説明していたことや、その他何名かの著名人が同様の理由を挙げていることと同じである。

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映画界の女性たち

インタビューの中で、ソフィー・マルソーは社会における男女平等は進化したかどうかについて質問された。「#MeTooは一時的な流行ではありません。問題点があるかもしれませんが、これは女性の進化の歴史において非常に重要な運動です。これは私たちにひとつのことを理解させました。つまり、何もかもが確実ではないということです。シモーヌ・ド・ボーヴォワールが発言したように、文明が後退すると、最初に影響を受けるのはいつも女性と子どもたちです。ヴィクトル・ユーゴーも貧困について同じようなことを述べていました。個人的には、私はこの歴史を背負っています。私は困難な環境から生まれた女性です。自由を得る難しさを知っています。男性には自分の場所がありますが、女性は常に自分の場所を勝ち取らなければなりません」と彼女は説明した。映画『ラ・ブーム』で知られる女優ソフィー・マルソーは、質素で信仰深いフランスの家庭の出身で母方はプロレタリアートの農民である。父親ブノワ・マウプはトラック運転手兼建築業の塗装業者であり、一方、母親シモン・モリセットは長らく専業主婦だった。

56歳になるソフィ・マルソーは、歳を重ねることに穏やかな心持ちで向き合っている。そして、次のように熱く語った:「年を取るのは好きよ。体調はいいし、どこにも痛みはないわ。生きていかなきゃいけないし、皆いつかは死ぬのだから。最近聞いた言葉でとても気に入っているものがあるの:『私たちは歳を重ねると、過去の全ての年齢を経験したことを意味する』。素晴らしいと思いませんか? バイクに乗っているときは、身体も人生も頭の中も14歳」。そしてこう付け加えた。「私はいまを生きています。過去を振り返るのは好きではないし、ノスタルジックなタイプではありません」。

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彼女の人生の男性たち

もうひとつのテーマは、26歳年上で、彼女とは正反対のブルジョワ出身であるアンジェイ・ズラウスキーとの情熱的な関係だった。「私は相反するもの、対立するものが好きなの」と1984年から2001年までの約18年間続いたロマンスについて、彼女は笑った。2016年に亡くなったアンジェイ・ズラウスキーは、しばしば彼女に「お互いを壊さずに愛し合うことはできるのだろうか」と尋ねた。彼の問いに、ソフィー・マルソーは今日こう答える:「未だ答えはわかりません。この質問を考え続けて何年も経ちます......。 私は生き方のロールモデルや確立されたことがあまり好きではありません。遠い未来がどうなるかを知るのは好きではありません。疑問、未知の領域、退屈、無、そして“よくわからない”という状態が好きです。確実性がありすぎるのは嫌いなんです」と答えた。

実力派女優で、映画監督モーリス・ピアラやフランソワ・オゾンのカメラの前で演技を披露してきたソフィー・マルソーは、数年前から執筆にも取り組んでいる。新著『La Souterraine』では、新しいタイプのフィクションを通して自分自身の一部をさらけ出し、新たな手法で観客に自分自身を披露している。「ソフィー・モープとは誰ですか? 彼女は実在するのでしょうか?」との『La Libre』の問いに、ソフィー・マルソーは、「はい、彼女は控えめです」と答えた。そして、「彼女は幸せでしょうか?」という質問には「はい。けれど24時間ずっとそうとは限りません」と答えた。

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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