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惑星ソラリス

静かな池。水藻が揺れる水面をカメラがゆっくりと捉えていく。ここは21世紀の地球。世界中の科学者が宇宙の彼方の未知の惑星ソラリスに注目していた。惑星表面のプラズマ状の“海”が有機的頭脳を持つと推測されたが接触には失敗。心理学者クリス・ケルビンが調査に送り込まれる。だが軌道ステーションを支配していたのは静寂と狂気だった。ケルビン自身も10年前に自殺した妻ハリーの幻影をたびたび見る。ソラリスの海は、人間の潜在意識から記憶を引き出して実体化させ人間に働きかけていたのだ。やがて科学者たちは実験の後、ケルビンの意識をX線にして海に投射した。そこに現れたのは……。地球への架空の郷愁を息苦しいほど切々と描く、水と火と鏡と廃墟の映像詩人タルコフスキーの不思議なSFの世界。いわく“良心が突然物質化されて現れ、その〈所有者〉を苦しめる。私がレムの小説から読み取ったコンセプトは大体このようなものでした”。地上の未来都市シーンに東京の首都高速道路が出るのもお見逃しなく。

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